桂歌丸、引退の覚悟あった 「見にくい、聞きにくい」指摘あれば
落語家の桂歌丸(80)が17日、都内で、日本テレビ系「もう笑点」(日曜、午後5時25分)の収録に復帰し、囲み会見に臨んだ。呼吸器の状態を考慮し、鼻に酸素用のチューブを装着して仕事をこなしているが、「お客様が見にくい、聞きにくいとお一人でもおっしゃったら引退しようと思ってた」と考えていたと明かした。
歌丸は今月2日から左肺炎慢性呼吸不全の急性増悪のため、横浜市内の病院に入院していた。14日に退院し、同日に行われた同市の神奈川県民ホールで行われた春風亭小朝との落語会「特選 匠の噺会」に出席した。この際は落語は披露できず、笑い話を交えたあいさつを行った。
この時も酸素用のチューブは装着していたが、歌丸は「最初は抵抗がありました。落語をやるのにこれっていうのは…」と悩んでいたという。「もしも、お客様が見にくい、聞きにくいと、お一人でもおっしゃったら引退しようと思ってた」という覚悟を持って姿を見せたと振り返った。
幸いなことに、注文はつかず「分からないって言うんですよ。大丈夫だと言うので、ずうずうしく」と前向き。「声は大きな声が出るんですよ。これで声がでなけりゃミイラと一緒です」と自らの体をネタに笑い飛ばしていた。
歌丸は16年5月に、「笑点」5代目司会を勇退し終身名誉司会に就任。以後、「笑点」の前に放送されているミニ番組「もう笑点」で司会を務めている。「もう笑点」の収録は2月4日以来。今回収録された分は6月25日以降放送予定で、8本分収録した。