藤井四段【一問一答(下)】「熟語で表すのは難しいですね」
デビュー以来連勝を続ける中学3年生の最年少棋士、藤井聡太四段(14)が21日、大阪市・関西将棋会館での王将戦一次予選で澤田真吾六段(25)と対局し、歴代1位タイの28連勝を果たした。
以下は、藤井四段と師匠・杉本昌隆七段の会見一問一答。
◇ ◇
-師匠との間で思い出すエピソードは。
「そうですね。うーん…」(杉本七段と見つめ合ってテレ笑いし、30秒ほど沈黙。マイクを杉本七段に渡す)
杉本七段「私も振り返ると記憶にないというか、あまり意識がないが、1人の将棋好きな少年と先輩という感じです。一緒に勉強というのも変ですが、同じ強くなりたいという面で付き合っている。これからも変わらない。私もこれといって(特別なエピソードは)思い浮かばない」
-28連勝の達成感は。
「神谷(広志八段)先生の28連勝に並ぶことができたという意味では純粋にうれしい。でも次の対局も近いので、そういう気持ちに浸ってばかりではいけない。気を引き締めていきたい」
-連勝記録で注目される中、自分への視線を感じながらどう戦ったか。
「注目していただけるのは本当にありがたい。ただ、自分の今すべきことは、もっと将棋が強くなることだと思っている。一喜一憂せずに日々頑張っていきたい」
-注目が集まる中で、平常心を保つために心がけていたことは。
「自分としては今までと変わらない。今まで通りやってきたというだけ。具体的に何かやったわけではない」
-今日の気持ちを熟語で表すなら?
「(笑い)うーん。そうですね。なかなか短い言葉で表し切れない気持ち。うーん、難しいですね」
-オリジナルグッズの扇子とクリアファイルが好評で売り切れ。そういう状況をどう思っているか。それと、自身でも使っているか。
「私自身が自分のものを使うのは恥ずかしい気持ちもあって使っていないが、そういうことは自分としても非常にうれしいというか、将棋に興味を持って下さる方がいれば私も冥利に尽きる」
杉本七段「扇子は私も手に入らず、藤井四段のお母さんに頼んで1本だけ手に入れた。クリアファイルは自分で使っている。扇子も使っている」
-28連勝の向こうにはタイトルもある。連勝記録を受けて、タイトルに対して気持ちに変化は。
「タイトル獲得にはさらに実力を付けることに変わりない。まずは実力を向上すべく頑張りたいと思う」
-自分で、どうして強くなれたと思うか。
「自分の将棋に満足しているわけでないし、自分で言うのも難しいが、将棋を始めた頃から詰め将棋をよく説いてきたことはいい影響かなと思う」