TBS社長がNHKに「大変な違和感」 ネット同時配信の本来業務化で
TBSが5日、東京・赤坂の同局内で定例の社長会見を開いた。武田信二社長は、NHKがインターネット上で電波による放送と同じ内容を同時配信する事業を「補完業務」ではなくメーンの事業という意味の「本来業務」と位置づけていると指摘し、「大変な違和感を感じております」と不快感を示した。
4日に総務省で開かれた、放送をめぐる諸課題を議論する検討会で、NHKがネット上での同時配信を「本来業務」と説明したと武田社長は明かし、「今までは補完的業務という位置づけだったわけですが、放送と同等の本来業務と言い切ったことには大変な違和感を感じております」と強い口調で述べた。
また、「放送の公共性とか、これと同等のものがインターネット上で担保できるのかとか、いろんな議論を呼ぶテーマであろうと思っています。そうしたテーマを省略してしまっては、民放としてはえっ?と思わざるをえない」とNHKが民放との議論抜きにネット同時配信事業について話を進めていくことについて、疑問を呈した。
放送局による番組のネット配信は、NHK・民放を問わずすでに行われている。電波による放送とほぼ同時に配信することは、NHKは現時点では放送法で定められている業務範囲に抵触するため、行えない。