音楽ユニット「キマグレン」の元メンバーでクレイ勇輝ことプロボクサーの榑井勇輝（３６）が１１日、東京・後楽園ホールで引退試合に臨み、０－３の判定で敗れ、プロ２戦２敗の成績でグローブを置いた。

　ボクシング人生の終わりを告げる試合終了のゴングが鳴った瞬間、榑井は満足顔だった。「勝ちたかったですね。勝つ！って気持ちいいんでしょうね。味わいたかった」と最後を勝利で飾れなかったが、リングで完全燃焼した様子だった。

　６日後に引退のリミットの３７歳を迎える中で上がった最後の試合。序盤から相手に攻め込まれた。昨年９月、ミット打ちの練習中、右手首のじん帯を断裂。この日も患部は脱臼した状態で左手１本での戦いだった。

　それでも最終ラウンドまで戦い抜いた。「前回はＫＯ負けして。今回は４Ｒ立っていられた」と納得。「アーティストとして武道館のステージに立てて、ボクサーとして後楽園ホールのリングに立てた」と、勝利以上の貴重な経験に胸を張っていた。