AKB卒業後のぱるるが語る 朝ドラ「ひよっこ」牧野由香役で新境地

 昨年末にAKB48を卒業し、女優として独り立ちした島崎遥香(23)。6月からNHKの連続テレビ小説「ひよっこ」(月~土曜、前8・00)で、有村架純(24)が演じるヒロイン・谷田部みね子にきつい態度で接する個性的な少女・牧野由香を演じている。グループから1人となって変わったこと、そして“忘れられない”こと…。新たなステージに向けて歩き出している「ぱるる」が、思いの丈を語った。

 AKBを卒業して、はや半年。アイドルらしからぬ「塩対応」で有名だった島崎だが、最近はすっかり角が取れて「甘対応」に変わったと評判だ。

 それでも自身は「自分ではまったく変わったつもりはないんですけど、そう見えるのかな…」と淡々。「自分の中では変わらず生きてて、気をつけようとか何かを変えようとか決断をしたわけではないです」と話した。

 卒業後、環境が目まぐるしく変わる中で、オーディションを受けてつかんだ朝ドラの役。「まさか自分が、という感じで、ビックリしました」と素直に振り返った。ヒロインの友人役のオーディションだったが、「『友だち役には適さないから』って言われて…」と、急きょ島崎のキャラを生かした新役が用意された。

 順風満帆に見える女優人生だが、手応えは「全然ない」という。「『ひよっこ』はすごく難しくて、セリフを覚えてはいるんですけど、つっかえちゃって…」と苦労する毎日だ。

 自身の将来を「女優」という形で定めたわけでもない。「自分の意志としては、まだ1人で活動し始めたばかりなので、いろいろチャレンジしていく中で、自分が自信を持ってこの道に進もうと思えるようなものを探していけたらなと思います」と青写真を語り、「でも、こんなんじゃバラエティーは無理か。こんなに話せないんじゃ…」とはにかんだ。

 AKB時代も、自分の思ったことが素直に表せず、イメージとのギャップに苦しんできた。島崎は「これ言ったら、絶対に笑う気がするんですけど…、かなり繊細で、泣き虫です」と明かした。

 さらに、「現場ではつらいことあっても、大勢の方の目の前では耐えるんですが、基本的にお家で泣きます」と意外な告白も。泣く理由についても「何でもですよ。ちょっとした、普通の人なら流せることがうまく受け流せなかったりするのが多いので…」と説明。「ネットでいろいろ言われるのは、もう慣れました」と、冗談めかして笑った。

 強いイメージの裏には、デリケートで弱い部分も持つ1人の人間の姿があった。「落ち込んだら、回復しないです。ずっと根に持つ、執念深いタイプなんで」。AKB時代には、今でも忘れられないほどつらい経験があったという。

 島崎は「あります、あります、全然いっぱいありますよ」と、今ではすでに乗り越えた思い出として明るく話す。内容については「言えないですよ!言ったら暴露本になっちゃうから。執念深いんで。1つ1つ細かく覚えてます」とジョークを交えつつ大笑い。「大体は、優しさや暖かさを感じられないときですね…」とヒントだけくれた。

 だが、その経験も、1人で歩き出した今、自分の実になっている。山あり谷ありのアイドル人生から、新しい道に進む自信と糧になった。「オーディションというものに慣れていなくて、オーディションって聞くだけで気持ちがグサッとくる」というが、それでも「やるっきゃない。やるからには上を目指して行こうと思ってます」と力強く宣言した島崎。「『朝ドラ』っていう肩書だから出たいっていうようなことは、やりたくない。どんな作品であっても、自分がこの作品に出たいって思うんだったら、朝ドラでなくたってオーディションを受けたいという気持ちでいます」とあの頃の“ぱるる”らしい芯の強さも垣間見せていた。

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