砂川啓介さん死去 介護続けた認知症の妻・大山のぶ代残し…
俳優の砂川啓介(さがわ・けいすけ、本名山下啓一=やました・けいいち)さんが11日午前4時10分、尿管がんのため、都内の病院で亡くなっていたことが18日、分かった。所属事務所が発表した。80歳。葬儀・告別式は近親者で行った。妻はアニメ「ドラえもん」でドラえもんの声優を務めた女優・大山のぶ代(83)。砂川さんは認知症を発症した大山の介護を続けながら病と闘っていたが、無念の思いで世を去った。
おしどり夫婦として親しまれた妻を最期まで心配していた。関係者によると、砂川さんは今年の5月15日に肺に水がたまり、治療のため入院。6月9日にいったん退院したが、同13日、自宅で意識を失っているのをマネジャーが発見。救急車で病院に運ばれ再入院した。入院中は意識ははっきりしており、会話もできていたが、7月11日になって容体が急変。臨終には誰も間に合わなかったという。
入院中は、マネジャーに「すまないな、頼むな」と話すなど、大山のことを気に掛けていたという。大山は昨年4月25日から施設に入っており、入院中の砂川さんにはマネジャーが毎日のように状況を伝えていた。だんだんと子供のようになっていく妻に対して、生前には「先に逝くわけにはいかない」と語っていたが、思いは届かなかった。
砂川さんは13年に胃がんの手術を受けていた。15年には大山が認知症を患っていることを公表。自宅で介護を続けていたが、16年4月に尿管がんを患っていることが発覚したため、大山を施設に入れ、自身は闘病を続けていた。
葬儀・告別式の喪主は大山の名前だったが、参列はしておらず、砂川さんの弟が喪主代理を務めた。大山は、事前にひつぎの中の夫と対面したが、認識できているかは不明だという。
砂川さんは、高校在学中から映画に出演。その後、舞台俳優やダンサーとして活動し、61年にNHKの「うたのえほん」で初代「たいそうのおにいさん」に起用された。後に番組が「おかあさんといっしょ」に統合され、子供たちの人気者に。64年、番組で共演した大山と結婚した。また、日本テレビ系の「お昼のワイドショー」の司会としても活躍した。