三波春夫さん 「東京五輪音頭」英語バージョンが配信へ…最新技術で歌声よみがえる
国民的歌手として活躍し2001年に死去した三波春夫さん(享年77)の歌声が、このほど「チェビオ」という最新音声合成技術でよみがえり、ハルオロイド・ミナミとして代表曲「東京五輪音頭」の英語バージョンを、94回目の誕生日にあたる今月19日に全世界に向けて配信する。
この技術を用いた三波の英語楽曲配信は、命日にあたる4月14日の「世界の国からこんにちは」に続く2曲目。生前の三波は、作品としてはもちろん、テレビ番組やステージでも英語詞の楽曲を歌唱したことはなく、今回は貴重な試みとなる。
生涯を通じて日本の心を歌い続けてきた三波さん。1964年の東京五輪で「東京五輪音頭」。1970年の大阪万博で「世界の国からこんにちは」と、戦後日本の二大イベントで大ヒット曲を残している。
関係者によると、三波さんは「敗戦国である日本が、こんなに頑張って復興したのだ!というところを、世界の人々に見せたかった」と、その思いを歌声に乗せ、明るい表情で歌い続け、日本中にも元気を届けた。それが多くの人にも通じ、この2曲は複数の歌手による競作でレコードが発売されたが、いずれも三波盤がダントツの売り上げを記録した。
今回は、日本にとっての大イベント「2020年東京五輪」を控え、関係者が「当時と同じように三波さんの声を世界に届け、東京五輪を盛り上げたい」と企画し実現した。制作には、三波さんの歌い癖や所作に詳しい長女・三波美夕紀氏、生前の担当ディレクター・池田純氏が、細かい発音や発声を調整。節回しやコブシまで生前の歌に近づけ再現した。
配信元のテイチクエンタテインメントの関係者は「最新技術で復活した三波さんの貴重な英語の歌声と、当時の歌の良さを感じていただければ」とアピールした。