吉永小百合「学生時代にかえったよう」 主演映画の劇中劇で舞台に初挑戦!

舞台で演技を披露する吉永小百合(左から2人目)=都内
合唱服を脱いで、演技に入る吉永小百合(前列中央)と阿部寛(後列中央)
2枚

 女優の吉永小百合(72)がこのほど、都内で行った主演映画「北の桜守」(2018年3月10日公開)の撮影で、舞台での演技に初挑戦した。これまで舞台出演の誘いは断り続けていたが、劇中劇の形で初舞台を踏んだ。ケラリーノ・サンドロヴィッチ(54)の演出でステージの緊張感を味わった吉永は「学生時代にかえったようです」と少女の心で初体験を楽しんだ。

 吉永が女優となって半世紀以上、意外なことに、舞台で演じるのは初めてだ。

 劇中劇は、激戦地となった樺太(現ロシア・サハリン)から必死で引き揚げてくるシーンを描く。合唱から早変わりでもんぺ姿となり、夫(阿部寛)と離れ離れになる場面などを表現した。歌い、踊り、そして演じる。奇才サンドロヴィッチによる独特の演出に吉永は「楽しいですね。でもやっぱり舞台って想像がつかない」と心境を語った。

 女優を目指していた中学時代には演劇部に所属。「高校を出たら新劇に応募してみよう」と考えていたが、その前に映画女優としてデビューし、人気者となっていたため舞台とは縁遠かった。オファーは多数あったが「杉村春子さんや(坂東)玉三郎さんの素晴らしい舞台を見ると、とてもとてもできない」と断り続けてきた。

 今作では、当初は引き揚げのシーンも通常通りに撮影する予定だったが、あまりに悲惨な内容になるため、劇中劇に変更した。思わぬ形での“初舞台”に吉永は「学生時代にかえったような気持ちです」とウキウキ。プレッシャーもなく演技できたようだった。

 滝田洋二郎監督(61)は舞台シーンの演出には一切口を出さず、撮影のカット割りに集中していた。サンドロヴィッチは友人の演出家が悔しがっていたことを暴露し「一緒にやれたのは一生の宝です」と大満足だった。映画は12日にクランクアップ。今後は編集作業を経て、18年に公開される。

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