フジテレビが２８日、都内で定例の社長会見を開いた。同局が長年放送しているアニメ「ＯＮＥ　ＰＩＥＣＥ（ワンピース）」（日曜、前９時３０分）が米ハリウッドで実写ドラマ版が制作されることが、漫画の版元である集英社から発表されたが、フジテレビとしては具体的な提案が集英社からまだ来ていないとした。

　総合事業担当の大多亮常務が質問に回答した。現状として、「今、私のところに具体的に集英社さんから、その件についてこうしよう、ああしようとか、一緒にこうしませんかという話がちょっと入っていない」として、まだフジテレビとして判断できる材料がそろっていないと説明した。その上で、９９年からアニメを放送している立場として、「私ども、長い間放送もしていますし、配信でも非常にいい再生回数も当然出てくるのは間違いないと思います」と仮に放送・配信のいずれの場合を想定しても、大きな反響を期待していると発言した。

　ただ、現時点では「今後の話かなと。お答えできる材料が今のところはないと思っていただければと思います」と集英社から具体的な提案がないことを強調していた。

　集英社は今月２１日、「ワンピース」を連載している「週刊少年ジャンプ」の中野博之編集長がハリウッド制作での海外ドラマ化を発表した。作者の尾田栄一郎氏からは「２０年間作品を支えてくれているファンを絶対に裏切らない事」が実写化の条件だったとするコメントも発表された。この際の発表会見では、出演者はもちろん、作中のどのエピソードを用いるのか、配信・放送のどちらになるのか、日本国内ではどのように視聴可能なのかといった詳細のほとんどが明かされないままになっていた。