歌手のＡＳＫＡ（５９）が１６日、都内のスタジオで、ミュージックビデオ（ＭＶ）撮影をファンと報道陣に公開した。２０１４年５月に覚せい剤取締法違反で逮捕されて以降、故郷・福岡のローカル番組や知人のライブに飛び入りして歌ってはいるものの、自身のファンの前での歌唱は初めて。「いろいろありました。今、この言葉しかありません。みんな、ゴメン！！」と謝罪してから、“みそぎ唱”を届けた。

　薬物事件で失望させてしまったファンと、再会を果たした。白黒ジャケット姿のＡＳＫＡは、３００人が待ち受けるスタジオに小走りで入ると、「お久しぶりです。ありがとね」と熱烈歓迎に感謝。「おかえり～」の声に「ただいま！！」と返して、「マスコミの方もいるけど、俺、変じゃないから」と自虐的に“完全復活”をアピールした。

　撮影したのは、２月に発売したアルバム「Ｔｏｏ　ｍａｎｙ　ｐｅｏｐｌｅ」の収録曲「未来の勲章」のＭＶ。自身のブログでエキストラとして参加するファンを募り、１万１０００通の応募から３００人を招いた。

　飾り気のないスタジオでは、ストリートライブのように至近距離でファンに囲まれ、報道陣５０人とクリスタルキングの元メンバー・田中昌之（６６）らも見守る中、同曲を２度繰り返して披露した。ギターをかき鳴らし、周囲の手拍子に乗り、体を揺らした。

　歌い終えると、制作に２年をかけたという東京五輪をイメージしたインストゥルメンタル曲を、アスリートの映像に合わせて上映。「どこで使われるとかは考えてない。一般公募があれば、参加させていただきたい」と“大役”に名乗りを上げた。

　この日の様子は、ＹｏｕＴｕｂｅでも生中継され、「今度は僕があなたの町に行きますんで、待っていてください」とツアーも約束。音楽仲間からの激励に涙ぐむ場面もあり、ＡＳＫＡは「やり抜きました。良かった」と感無量だった。

　ＡＳＫＡは１４年５月に覚せい剤取締法違反で逮捕され、同９月に懲役３年執行猶予４年の有罪判決が下った。１６年１１月に再び同法違反の容疑で逮捕されたが、不起訴処分となり釈放された。

　今年２月、故郷・福岡のローカル番組で逮捕後初となるテレビ出演をし、新曲「ＦＵＫＵＯＫＡ」を生披露。

　私生活では、６月に３０年間寄り添った元アナウンサーの妻と離婚した。