松山千春 即興機内唱の大サービス 出発1時間遅れのイライラ乗客和ませた
歌手・松山千春(61)が20日に搭乗した全日空機の出発が1時間以上も遅れていた間に、機内で代表曲「大空と大地の中で」を熱唱する大サービスを行っていたことが21日、全日空への取材で分かった。
遅延でイライラムードが漂う機内を和ませるため、自ら客室乗務員に申し出たもので、機長も特例で許可。サプライズ歌唱に乗客は大歓声と拍手で喜んだという。
同社広報によると、松山が搭乗したのは札幌(新千歳)発大阪(伊丹)行き全日空1142便。午前11時55分出発予定だったが帰省ラッシュによる保安検査場が混雑した影響で、午後1時3分まで出発が遅れた。
同0時50分ごろ、機内のイライラムードを感じたのか、松山は客室乗務員に「機内が和むように、歌いますよ」と申し出た。機内アナウンス用の受話器型マイクを手に取ると、空へのフライトに合わせ楽曲「大空と-」を澄んだ声で披露した。
さらに乗客に「お疲れさまです。お怒りだと思いますが、地上係員も頑張っています。もう少し辛抱しましょう」と呼びかけ、乗務員の代わりに遅延を謝罪をするなど“千春節”全開の即興トークを披露した。コワモテで知られる大御所のサプライズに、機内のムードは一変。拍手と歓声で沸いたという。
機内の保安上、通常は搭乗客の勝手な行動は許されないが、今回は客室乗務員が申し出を機長に報告。機長が特別に許可したことから実現した。同社広報によれば「前例がない」という。
松山は大阪に到着後に生出演したラジオで「出しゃばったことをしているなと思うけど、みんなの気持ちを考えたら、何とかしなきゃ、みたいな。機長さんよく許してくれたな」と振り返った。
海外の歌手では2011年、シンディ・ローパーがアルゼンチンの空港で足止めを食らった乗客の怒りを鎮めるため、代表曲「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」を歌ったことが知られる。
また、飛行機内で歌唱した例では北島三郎が1985年8月に上空1万メートルの機内でコンサートを開催。座席の一部を外し、バンドスペースを設営し、生バンド演奏で歌い上げ、世界初と報じられた。
また機内サービスとしては、2002年の日韓W杯でサッカーの試合の模様が、機内モニターに流されたという。