高畑淳子 リポーターの口ふさぎ質問シャットアウト「お察し下さい」
女優の高畑淳子(62)が23日、主演舞台「土佐堀川 近代ニッポン-女性を花咲かせた女 広岡浅子の生涯」(10月4~28日、東京・日比谷のシアタークリエ)の制作発表に出席した。ちょうど1年前の8月23日に長男の高畑裕太が強姦致傷容疑で逮捕され、のちに不起訴になった。この件に関する質問は慎むよう告知される中、「ご自身の子供さんも反抗期で」と質問した女性リポーターの口をふさぎ、シャットアウトする一幕もあった。
主人公の浅子が歩んだ「九回転んで、十回立ち上がる」という人生を描くことになぞらえ、「つらかった時にどう立ち上がるか」と水を向けられた。「あまり数えたことなかったですけど、(浅子と)同じぐらい転んでいると思っています」と語る高畑は「気がついたら忘れていたという、私の友達に都合の悪いことは忘れるという人がいるんですが、そういう立ち上がり方のような気がします」、「時間がかかりますし、ものすごくしつこいタチなので『絶対忘れない』っていうことは死ぬまで忘れないと思います」などと意味深に表現した。
このように報道陣からは婉曲的な表現で事件から1年がたっての心境を引きだそうする質問が続き、高畑も空気を察知。共演者に助け船を求めるシーンもあった。
浅子の教育や子育てに関連して、「ご自身も子供さんが反抗期で…」と話題が及ぶと、和やかなムードながら、高畑はリポーターの口をふさぐ“実力行使”。「暴力的ですよね。ごめんなさいね」、「ごめんなさい。お仕事は分かりますけど…。お察しください」と質問に答えられないことを申し訳なさそうにしていた。
「今、立ち上がれているか」と問われると「ほらまた…」と渋い表情に。ただ、「忘れる瞬間がこうしてありますので、稽古場で物を考える瞬間がありますので、そこはありがたいです」と舞台に打ち込められる環境に感謝していた。
今回、NHKの連続テレビ小説「あさが来た」で波瑠が演じたことでも知られる実業家・広岡浅子を、その少女時代の17歳から演じる。実年齢62歳の大ベテランは「最初は違う眼鏡をお渡ししたいです。特殊眼鏡を。一幕はこれをかけてくださいって。薄くしゃが入った眼鏡を」と自虐的に語っていた。
昨年12月に千秋楽を迎えた「雪まろげ」以来の舞台出演となる。「『雪まろげ』の時は魑魅魍魎(ちみもうりょう)のような共演者の方に助けていただきまして。1人では本当にできないことですから。本当に高い高いチケットですから、劇場に来て良かったと思ってもらえるように」と意気込んでいた。
なお、会見の最後に「8月23日は…」と事件に関する直接的な質問が出そうになると、関係者が遮った。
会見には赤井英和、南野陽子、田山涼成、葛山信吾、三倉茉奈、紫とも、篠田光亮、越智静香、演出の田村孝裕氏も出席した。