黒柳徹子 親友の娘・真瀬樹里に直接オファー 亡き母・野際陽子さん役

 6月13日に肺腺がんのため亡くなった野際陽子さん(享年81)の長女で女優の真瀬樹里(42)が、テレビ朝日系ドラマ「トットちゃん!」(10月2日スタート、月~金、後0・30)に出演し、野際さんを演じることが1日、分かった。主人公のモデルで野際さんの親友だった黒柳徹子(84)が直接、訃報後に真瀬へオファーしたもの。野際さんの遺作「やすらぎの郷」が放送されていた時間帯でもあり、真瀬は「母がつないでくれたのかな」と奇妙な縁を感じ、燃えている。

 真瀬が亡き母を演じることになった。6月中旬、野際さんの葬儀を終えた真瀬のもとに黒柳から連絡が届き、2人は顔を合わせた。野際さんと黒柳は、テレビ黎明(れいめい)期にNHKアナウンサーとNHK放送劇団の女優として出会い、60年来の付き合いだった親友。大切な人を亡くした悲しみを共有し、真瀬と黒柳の思い出話は尽きることがなかった。そして、黒柳から「トットちゃん!」への出演をお願いされた。

 当初、真瀬の役は決まっていなかったが、1カ月後に野際さん役をオファーされた。「正直、戸惑いもありました」という真瀬は祭壇に手を合わせ、天国の母に相談した。「『どうしよう?』と言ったんです。不思議なんですけど、声が聞こえて『やって』って言ってくれたような気がした」。迷いはなくなった。

 役作りのため、若かりし頃の母の写真を持参し、母を担当していた美容師に髪を30センチ以上カットしてもらった。「(役の)準備をし始めて(母は)笑ってると思います。楽しんでるんじゃないかな。『あらあら』みたいな感じで」と笑みがこぼれる。

 初登場は11月末を予定。終盤の重要人物として、黒柳との交流が描かれる。野際さんの遺作ドラマと同じ放送枠という奇妙な縁もあり、真瀬は「母が何かでつないでくれたのかなと考えたくなりますね。母の人生を一部でも生きられる。一生懸命、生きられたらなと思います」と覚悟をにじませた。

 ドラマでは、戦中戦後の激動期を駆け抜けた黒柳の半生が描かれる。連ドラ初主演で黒柳役を演じる清野菜名(22)は、8月下旬に真瀬と初対面。「やすらぎの郷」で野際さんと共演しており「お母さんの顔の雰囲気に似てらっしゃる」と驚いた。野際さんの遺作「やすらぎの郷」も担当した服部宣之プロデューサーは「徹子さんを取材して、野際さんとの関係を聞いた時、徹子さんと野際さんの2人をよく知る樹里さんにやってもらうのが1番いいだろう、と思いました」と説明。黒柳に改めて野際さんのエピソードを3時間ほど取材し、台本に反映させた。

 黒柳は野際さんの訃報後、報道各社に手紙を寄せて追悼した。新人アナ時代の野際さんが、寮の自宅に入ってきた泥棒に200円を要求され、1000円札しかなかったので「おつりをちょうだい」と返した“豪快伝説”を回顧。「あなたのいらっしゃらない、この世界は、寂しいです」と無念の思いをつづった。

 女子会を開いては何でも言い合い、一緒に買い物やフランス語のレッスンに通った。交流はFAXのやりとりが多く、黒柳は「私のFAXはガーガー言うけど、野際さんのFAXはすっと静かにくるのよ」と独特な表現で清らかな人柄をしのんでいたという。

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