土屋嘉男さん死去していた…89歳、肺がん 「七人の侍」黒沢映画の名脇役
「七人の侍」など黒沢明監督作品の常連だった俳優の土屋嘉男(つちや・よしお)さんが、2月8日に肺がんのため東京都内の病院で死去していたことが6日、分かった。89歳。山梨県出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻みどりさん。後日お別れの会を開く。
俳優座養成所を経て東宝に入社。1954年の「七人の侍」の若い農民役で注目された。以後も「蜘蛛巣城」「用心棒」「椿三十郎」「赤ひげ」など、黒沢作品に欠かせない存在となった。
著書「クロサワさーん!」で、黒沢監督との交流や「七人の侍」製作時の裏話をつづり、日本映画の黄金時代を生き生きと描いた。ほかに成瀬巳喜男監督の「コタンの口笛」「乱れ雲」、岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」など出演作多数。
特撮映画では「ゴジラの逆襲」や「ガス人間第一号」「マタンゴ」などで独特の演技を見せ、海外のファンにも知られていた。