民進党・前原代表 地元京都で演説も「裏切り者!」ヤジの嵐

 民進党の前原誠司代表(55)が4日夕、地元の京都市内で街頭演説を行った。希望の党(代表・小池百合子東京都知事)との合流を巡る民進分裂を「想定内」と発言して猛反発が起こる中、終始「裏切り者!」「帰れ!」と激しいヤジや罵声が飛び、緊迫した空気に包まれた。前原氏は「国家国民のため新たな選択肢を示した」と訴えたが、聴衆から「小池にはまってさあ大変♪」と揶揄(やゆ)する歌も飛び出した。

 衆院選を前に野党混乱を引き起こした渦中の前原代表が、地元で逆風にさらされた。3カ所で演説し選挙モードに入ったが、いずれも荒れ模様となった。

 警察車両が出動する緊迫ムードの中、伏見区では、前原氏が笑顔で登場すると拍手も起こったが、一部聴衆から「よう帰って来れたな!」「恥ずかしないんか」「詐欺師」と声が飛び、前原氏は静かに頭をさげた。

 前日3日には党分裂を「想定内」と発言して猛反発を食らった。注目の演説は「宇宙戦略」の話題などで若干、拍子抜けさせた後に、希望との合流を「我慢の限界。安倍政権を存続させることは不幸だ。対抗できる大きな塊を作りたかった」と説明した。

 周辺には京都弁で「はよ、帰りよし(早く帰れ)」のボードも掲げる聴衆も。前原氏が「われわれ、野党第1党が!」と言うと「もう、違うやろ」「希望は野党ちゃうぞ」と突っ込まれた。その後、近くの商店街を約30分、笑顔で練り歩き。女性の集団から激励も受けたが、露骨な握手拒否も。「小池にはまってさあ大変♪」と歌って冷やかす人もいた。

 JR京都駅前などでも「全ては皆さん方のためだ。国家国民のため新たな選択肢を示した」と訴えたが、「帰れ」コールを浴びる場面もあった。

 また、前原氏はこの日、小池氏の衆院選対応に関し「首相候補がいない政権選択の選挙はない」と発言。小池氏が衆院選不出馬を表明する中、首相候補の明確化を迫った形だ。小池氏とは5日に都内で会談予定だが、複数の党関係者は会談で小池氏に立候補を要請するとの見方を示した。

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