村上春樹氏ゆかりの料理店「PINOCCHIO」も残念
スウェーデン・アカデミーは5日、今年のノーベル文学賞を、長崎市生まれの英国人小説家カズオ・イシグロ氏(62)に授与すると発表した。ロンドン在住。英語で執筆し、代表作「日の名残り」で知られる。日本出身の作家としては1968年の川端康成、94年の大江健三郎氏に次ぎ3人目、23年ぶりの受賞。下馬評が高かった村上春樹氏(68)は今年も選ばれなかった。
東西のハルキストからはため息がもれた。村上氏がかつてデートで訪れたという神戸市内のイタリア料理店「PINOCCHIO」では、集まったファン20人がパソコン画面を見て吉報を待った。村上氏が来店時にオーダーしたシーフードピザと文庫本「辺境・近況」をセットにしたメニューを売り出す予定にしていたが、来年以降へ持ち越しになった。
村上氏の作家としての原点となっている東京・鳩森八幡神社でもパブリック・ビューイングが開催。村上さんが通った書店を経営する斉藤祐さん(72)は「春樹さんとイシグロさんは仲よし。(イシグロさんは)春樹さんを尊敬しているので、複雑」と心境を吐露した。