東京ロマンチカ三條正人さん死去 妻・香山美子にみとられ
「小樽のひとよ」「君は心の妻だから」などのヒットで知られる「鶴岡雅義と東京ロマンチカ」のメインボーカル・三條正人(さんじょう・まさと、本名渡辺正好=わたなべ・まさよし)さんが5日午前5時54分、マントル細胞リンパ腫のため東京都渋谷区の病院で死去した。74歳。大津市出身。通夜は9日午後6時から、葬儀・告別式は10日午前11時から、東京都中野区中央2-33-3の宝仙寺で営まれる。喪主は妻で女優の香山美子(かやま・よしこ、本名渡辺紀子=わたなべ・のりこ)。
所属事務所によると、この日朝、都内の病院で妻の香山美子(73)と長男にみとられ、旅立った。
数年前に病気がわかり、抗がん剤治療を続けてきた。ここ1年ほどは入退院を繰り返しながら、ステージに立ち、テレビ番組にも出演してきた。ロマンチカのメンバーが見舞いに訪れることもあったという。
事務所関係者は「やせて頬がこけ、足元がおぼつかないところもありましたが、ステージでは杖を使わなかった」と三條さんのプロ魂を明かした。9月26日には群馬県でのコンサートで歌っていたが、これが最後のステージとなった。近年もボイストレーニングを欠かさず、甘い歌声はそのまま。最後まで“現役”だった。
だが、容体が急変し入院。病室で香山と1人息子に、「こういうきれいな景色(の病室)だったんだね」と話しかけ、その15分ほど後に静かに息を引き取ったという。
レコード会社の関係者は「誰に対しても気さくで優しい人でした。若いスタッフに対しても気さくで、よく、ピースサインをして、『よお!』と声をかけてくれたのが印象的です。ダンディーでおしゃれな方でもありました」としのんだ。
三條さんは1967年にロマンチカに加入。甘いボーカルで一世を風靡(ふうび)した。73年に香山と結婚。ソロ歌手として活動した時期があったが、03年、グループに復帰していた。