衆院選終盤情勢 与党勢い変わらず、自公で3分の2も
第48回衆院選に向けて共同通信社は15~17日、全国の有権者約12万人を対象にした電話世論調査を実施し、取材も加味して終盤情勢を探った。自民党は前回調査(10、11日)と同様に堅調で、公明党と合わせた与党で定数465の3分の2(310議席)前後をうかがう。希望の党は苦戦が続き、50議席程度と公示前勢力(57議席)を下回ることも想定される。立憲民主党は公示前から3倍増の50議席近くとなる勢いで、野党第1党に躍進する可能性がある。共産党は議席を減らし、日本維新の会は横ばいとなりそうだ。
自民党は前回調査の勢いを維持し、289の小選挙区のうち約220で優位な戦いを展開する。北海道や新潟、沖縄などで先行される選挙区が目立つ。11ブロックの比例代表(定数176)でも他党を上回るが、公示前や序盤情勢の68議席の確保は難しい。小選挙区を合わせた全体で公示前の290議席から280程度に減らす予測だ。
国会運営の観点から見れば、与党がペースを握れる絶対安定多数(261議席)を自民党単独で超える情勢だ。与党で3分の2の議席を得れば参院で否決された法案を再可決できる。
希望の党は前回調査からさらに失速し、小選挙区と比例代表のそれぞれで公示前から2、3議席ほど減らすとみられる。特に新人候補は劣勢を強いられている。小池百合子代表が知事を務める東京は全ての小選挙区で厳しい戦いとなっている。
公明党は公示前の35議席の確保が展望できない。共産党も比例代表で落ち込み、全体で公示前の21議席から10議席台に減らすこともあり得る。立憲民主党は小選挙区で公示前(7議席)から倍増、比例代表(9議席)でも3倍強に伸ばす調査結果となった。希望の党を抜き、自民党に次ぐ第2党が視野に入る。維新は地盤とする大阪で自公両党にリードされる選挙区が多い。社民党は公示前の2議席維持を狙う。日本のこころも議席獲得を目指すが、厳しい情勢だ。
「投票先をまだ決めていない」とした人は小選挙区で40・3%、比例代表で40・0%に上り、22日の投開票日までに情勢が変わることもあり得る。衆院定数は前回から小選挙区6減、比例代表4減となった。