池上彰氏が語る“無双”の本質 「ばかなこと」と言われても聞く
ジャーナリストの池上彰氏(67)が19日、東京・六本木のテレビ東京で行われた、自身がメーンキャスターを務める同局系選挙特番「TXN衆院選SP 池上彰の総選挙ライブ」(22日、後7時50分)の取材会に出席した。番組名物の“池上無双”について、その本質は視聴者が知りたい、聞きたいと思うテーマをぶつけることにあると明かした。
選挙特番は各放送局が順番に各政党の党首や幹部、注目候補者と中継を結ぶが、1局ごとに割り当てられた時間は極めて短く、限られた時間で、端的に候補者たちのコメントを引き出さねばならない。池上氏はタブーを恐れないスタンスで各候補者や政治家に切り込んでいくことから“池上無双”と評されるようになった。
この日の取材会でも「対決したい政治家は」という質問を受けたが、これに苦笑いして答えた。「対決ということではなくて、あくまで一般の視聴者が、この人にはきっとこのことを聞きたいのだろうなと思うことを聞ければなというふうに思っています」。専業として政治家に“食い込む”ことが求められる各紙の政治部記者には聞きにくいことでも、興味を持たれていることは聞く、というスタンスだ。
「政治のプロの記者たちはなかなか質問できないことを、視聴者の代表として、『そんなばかなことを聞くの?』と言われるかもしれないけど、それを聞いていくことが大事なんじゃないかなと思います。あくまで対決ではなく、視聴者が知りたい、『そうそう、そういうことを知りたかったんだよね』とみんなに思ってもらえるような質問、それは何だろうかと今もまだ考えている最中なんです」
池上氏がテレビ東京の選挙特番を務めるようになって6回目。今回の特番では“池上節”を生かした秘密兵器とも言える新企画を用意し、民放他局の挑戦を受けて立つ構えだ。池上氏は“無双”の質問を「放送の前日、あるいはひょっとすると放送が始まるまで思いつかないかもしれない、ということですね」と考え抜いて、本番に臨む。