ＮＨＫが２４日、個人情報を含む帳票の紛失があったと発表した。報道各社へのファクスによると、放送受信料カード払い利用申し込みの帳票について、ＮＨＫが溶解廃棄処理を委託した業者が、そのうちの一部にあたる約３３００枚を紛失していたことが分かったという。

　今月１６日に、静岡県沼津市内で受信料の帳票が道路上に落ちているという情報がＮＨＫに寄せられた。同局で、合計２７５枚の帳票が発見されたという。ＮＨＫは「皆さまにご迷惑、ご心配をおかけしたことをおわびいたします。個人情報の取り扱いを一層厳重にし、再発防止を徹底します」と謝罪コメントを出した。

　これらの帳票は１０月１１日に埼玉県川口市内のＮＨＫ施設から、ＮＨＫが溶解廃棄処理を委託した業者が搬出したもの。処理の依頼自体は段ボール箱４８０９個分だったが、今回道路上でみつかった帳票は、委託業者が沼津市内の施設に保管していたものの一部で、段ボール１箱分の３３０６枚の所在が分からなくなっていることが分かった。発見されたものを除くと最終的に紛失したのは３０３１枚となる。

　紛失した帳票はインターネット上で受信料の支払いを２０１１年４月２２日から２８日にカード払いで申し込んだ人の分で、指名、住所、電話番号、クレジットカード番号（セキュリティーコードの記載はなし）、メールアドレス等が記載されている。

　ＮＨＫは２４日から、対象者におわびと経緯の説明をしているとし、クレジットカードの明細書に覚えのない項目がある場合は各カード会社に問い合わせるよう求めていると説明した。２４日に今回の紛失を公表した時点では、不正使用の連絡は各カード会社からは来ていないという。