遠藤賢司さん死去 昨年から胃がん闘病も…24日容体急変

 昨年から胃がんで闘病中だったシンガー・ソングライターの遠藤賢司さんが25日、都内の病院で亡くなった。70歳だった。所属事務所によると、23日から入院し24日に容体が急変したという。遠藤さんは今月19日にソロライブを予定していたが、同5日にキャンセル。復帰を目指してレコーディング準備も進めていたというが、志半ばで旅立った。葬儀は家族のみで営み、年明けに音楽葬が予定されている。

 日本の音楽史において、遠藤さんはフォーク&ロックの先駆者の1人だった。「エンケン」の愛称で親しまれ、力強い歌声でファンを魅了してきたが、病魔に打ち勝つことはできなかった。

 2015年の年末から体調が優れず、16年6月にSNSで「3月頭に癌であることがわかり、4月から短期入院も経て治療中です」とがんを公表。闘病しながらも仕事をこなし、今年5月には東京・日比谷野外音楽堂でライブイベントに出演するなど、元気な姿を見せていた。

 今月19日にも大阪でソロライブが予定されていたが、体調不良を理由にキャンセル。ライブ予定日の19日が最後のブログ更新となり、「何度も何度も、歌いたい!、と、優柔不断した挙句、演奏不可能と、しかも、布団の上で、決めさせて、いただきました」と無念さをにじませていた。1週間ほど前には自宅周辺を歩く姿を近隣住民が見かけていたが、所属事務所によると23日に入院し、24日に容体が急変したという。

 遠藤さんは1969年にデビューし、72年にシングル「カレーライス」がヒット。「遠藤賢司バンド」「エンケン&カレーライス」などのバンドでも活躍した。2005年にドキュメンタリー映画「不滅の男 エンケン対日本武道館」で監督を務め、13年公開の映画「中学生円山」では本格的な俳優業にも挑戦した。

 13年のデイリースポーツのインタビューで、「10年後も歌っています。(持ち歌の)『史上最長寿のロックンローラー』は99歳の白寿の歌なので10年後も通過点」と語っていたが、熱い思いはかなわなかった。

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