大林宣彦監督、がん余命宣告受けるも新作準備…現在は「余命は未定」
映画監督の大林宣彦氏が新作映画の準備に取りかかっていることが28日、分かった。大林監督の妻でプロデューサーの大林恭子氏がデイリースポーツの取材に明かした。
大林監督はこの日、都内で開催中の「第30回東京国際映画祭」(東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズなど)で行われた映画「花筐/HANAGATAMI」(12月16日公開)の上映イベントに出席した。昨年、肺がんを患い、余命宣告を受けたが、抗がん剤治療が功を奏し、現在は「余命は未定」という状態。抗がん剤の影響で体重は落ちているものの、「映画は作ります」と力強く宣言した。
映画は戦争の渦に巻き込まれていく若者たちを描いた作品。小説家・檀一雄の純文学を大胆に解釈し、実写化した。大林監督がデビュー作「HOUSE/ハウス」(77年)よりも前に脚本を書いていた念願の1本だ。
大林監督は、戦中・戦後を生き抜いてきたからこそ、自由の尊さを感じることがあるようで「わたしはこれまで、アマチュアとして弱者の立場で映画を作ってきました。だから自分を“映画監督”ではなく“映画作家”と言ってるんです。自分が信じる映画くらいは自由に作らせてほしいと思いますね」ときっぱり。今後も作りたいように映画を作ることを誓った。
この日はほかに主演の窪塚俊介、共演の常盤貴子、長塚圭史、矢作穂香、山崎紘菜、村田雄浩、岡本太陽が出席した。