元風男塾のアイドルが「京都本大賞」でグランプリ
アイドルグループ・風男塾の元メンバーで作家の原田まりるさん(32)の『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』(ダイヤモンド社刊)が、1日に発表された「第五回京都本大賞」(主催・京都本大賞実行委員会)を受賞した。最終ノミネートされた「ニーチェが-」、「罪の声」(塩田武士著・講談社刊)、「手のひらの京(みやこ)」(綿矢りさ著・新潮社刊)の3作品から選出された。
同賞は、京都府を舞台にした小説の中から、最も地元の人々に読んでほしいと思う作品を書店員および読者が選ぶもの。受賞理由は哲学ブームが起こる中、地元出身(京都市左京区で生まれ、京都女子大出身)の著者による生き生きとした京都の描写が共感を得たことなどとみられる。実行委員会は「候補作の中では異色だったが、文芸の力で哲学の入口に連れていける本だと思う。書店としても期待している」とした。
原田さんは「本の中にも出てきたようにニーチェは“神は死んだ”と言っているのですが、京都本大賞という素敵な本を受賞できたと聞き、『神はいた!』と思いました」と感激した。「流原蓮次」として活動したグループを2013年に卒業し、執筆活動を開始した原田さんは、京都の魅力について「いつも帰ったときは、鴨川沿いで時間を過ごすようにしている。そのときいつも思うが、京都の空気は妖しさ(あやしさ)、もののけがいそうなところが良い」とコメント。作品については「生きることに悩むことは全ての世代にあること。人生の岐路に立つ人に読んで欲しい」とアピールした。