座間9人殺害・白石容疑者 被害者は「17歳ぐらい4人、20歳ぐらい4人…」
神奈川県座間市のアパートで9人の切断遺体が見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された無職の白石隆浩容疑者(27)が「殺害した9人は17歳ぐらいが4人、20歳ぐらいが4人、20代後半が1人」と供述していることが1日、捜査関係者への取材で分かった。9人は男性1人が20歳ぐらいで、ほかの8人は女性とみられている。白石容疑者は「ツイッターを通じて知り合い、自殺を手伝うと伝えて自宅に連れ込み殺害した」とも供述。時期は「8月に1人、9月に4人、10月に4人」と話した。
警視庁高尾署捜査本部によると、アパートから複数の包丁やきり、結束バンド、ロープを発見し、刃物には血液のようなものが付着していた。捜査本部は1日、死体遺棄容疑で白石容疑者を送検。捜査関係者によると、関東地方などの人から警察には「自分の子どもではないか」といった問い合わせが数件あった。
手口では複数のツイッターのアカウントを所有。別人を装い、自殺願望をほのめかす内容の書き込みをしている女性に「一緒に死のう」などと返信して誘い出し、次々と殺害したとみられる。
捜査本部などによると、白石容疑者は「9人にカップルもおり、その女性を8月下旬に最初に殺した」とし、女性の交際相手の男性から安否を聞かれ「警察に疑われるのではないかと思い、自宅に招いて殺害した」と説明。この女性ともツイッターで知り合い、男性も交えた3人で食事をしたことがあった。
動機は「一部の女性は乱暴目的」とし、「金を奪う目的もあった」とも供述。事件前の6月には父親へ「生きていても意味がない」「何のために生きているのか分からない」と話しており、事件との関連を調べる。
白石容疑者は、アパートに引っ越してきた8月22日から2カ月余りの間に全員を殺害したと供述。遺体は自宅のワンルームの手狭なユニットバスで刃物を使って切断したといい、「最初は3日かかったが、2人目から1日でできるようになった」と話した。
室内には計八つのクーラーボックスがあり、うち七つに切断された頭部のほか、腕や脚とみられる骨が入っていた。ボックスにはネコのトイレ用の砂のようなものが入れられており、臭いを隠して発覚を免れる目的だったとみられる。
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警視庁の捜査本部が置かれている東京都八王子市の高尾署から1日朝に送検された白石隆浩容疑者。黒縁の眼鏡をかけ、グレーの上着姿で車の後部座席に座り、報道陣が待ち構える中、表情を隠すように両手で顔を覆った。
午前8時40分ごろ、高尾署の地下駐車場から白石容疑者を乗せた車が姿を見せると、付近に集結した約100人の報道陣が殺到。カメラマンらが詰め寄り、フラッシュを浴びた白石容疑者は、眼鏡のレンズの下に指を入れ、両手で顔を押さえるように隠した。
白石容疑者は東京地検立川支部に入る際も両手で顔を覆い、表情をうかがうことはできなかった。