NHK大阪局長、選挙開票か台風情報か「比率に苦慮」視聴者から「台風情報を」の声
衆院選の開票が行われた10月22日夜から23日未明にかけ、台風21号による河川氾濫などが発生した件で、NHK大阪放送局の角英夫局長は2日に開いた会見で「難しい問題だったが、選挙報道と台風情報のバランスに苦慮しながら放送しました」と述べた。またNHKには「台風情報をもっと放送してほしい」との声が一定数、届いたことを明らかにした。
10月22日の深夜には、近畿では大和川が氾濫し、ネット上でも「情報がなく不安」「選挙より台風情報をやってほしい」との投稿が相次いでいた。
角局長は「国民の選択である選挙の争点・結果をお伝えする報道と、気象や災害の現状と減災につながる報道。2つとも公共放送の最も重要な役割であり、両方をきちんと放送しないといけないという思いで22日を迎えた」とした。
大阪局では当日は「全国開票」「近畿開票」「台風情報」を各1時間の中で、必ず放送するようにし、また開票より早い時間からテレビ画面のL字情報や、ラジオでも、台風情報が行き渡るよう努めたと説明。大和川に関しては、奈良県内や大阪府堺市の流域の映像も流した。
ただし「NHKには台風21号に関する情報をもっと放送して欲しいとの、視聴者からの声はありました」としたうえで「難しい問題ですが、バランスに苦慮しながら放送しました」と述べた。件数は公表していないが、視聴者からの声は、今後の判断材料として受け止めているとした。
NHKは10月22日深夜は、日付が変わった時間帯から徐々に台風情報にシフトし、午前2時頃からは台風情報を重点的に報道した。