大竹しのぶ 蜷川さんの遺志継ぎ再演 「もう一度やろう」と約束
女優の大竹しのぶ(60)が6日、都内で行われた主演舞台「欲望という名の電車」(12月8~28日、東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーン、2018年1月6~8日、大阪・森ノ宮ピロティホール)の製作発表に出席し、昨年亡くなった演出家・蜷川幸雄さんの思いを胸に演じることを約束した。
大竹は02年に、蜷川さん演出で同じシアターコクーンで上演された「欲望-」に主演していた。公演後には蜷川さんから「もう一度やろう」と再演を持ちかけられていたという。実際に企画も動き始めていたが、蜷川さんが亡くなったために実現しなかったという経緯があった。
蜷川さんの思いを受け継ぐ形で演じることになる今回の公演で演出を手がけるのは、イギリスの新進気鋭の演出家フィリップ・ブリーン氏。15年に上演された「地獄のオルフェウス」でもブリーン氏とタッグを組んでいた大竹は「フィリップなら蜷川さんも“まぁいいんじゃない”って言ってくれるんじゃないかな」と笑顔。心の中で“お墨付き”をもらっていることを明かした。
「欲望-」は第2次世界大戦後の米・ニューオリンズが舞台。上流階級出身のブランチ(大竹)とステラ(鈴木杏=30)姉妹の関係を軸に、孤独の中で次第に狂気に落ちてゆくブランチの姿が描かれる。ステラの夫・スタンリーを北村一輝(48)、ブランチに愛を告白するミッチを藤岡正明(34)が演じる。
27歳の時に蜷川さんから「今の年齢でステラをやったらいいのに」と勧められていたという鈴木は「蜷川さん(の演出)はかなわなかったけど、こういう形でステラと出会えてすごくすごくラッキーです」と喜んだ。