盟友キダ・タロー「中村鋭一、万歳」 阪神の球団歌「六甲おろし」流れる中…
ラジオ番組の名物パーソナリティーとして親しまれ、6日に肺炎のため87歳で死去した中村鋭一さんの通夜が9日、大阪府内の「公益社 千里会館」でしめやかに営まれ、芸能関係者ら400人が参列した。
長年親交があり、弔辞を読んだ作曲家のキダ・タロー(86)は「(対面した顔は)うそがばれた時の顔をしていました」と笑い、「中村鋭一、万歳」と遺影に話しかけた。告別式はきょう午前11時から、同所で営まれる。喪主は妻の幸子さん。
「六甲おろし」を世に知らしめた中村さんらしく、虎愛にあふれたお別れの場となった。
祭壇にはタイガースのジャケット・法被などの応援グッズや藤村富美男さんと撮影した2ショットなどが飾られ、アナウンサー時代に阪神戦を実況した際の写真も掲出。斎場では「六甲おろし」がBGMで流された。
事務所関係者によると病床でも「ラジオの仕事を取ってきて欲しい」と復帰に意欲を燃やしていたという。キダは「博識でニュース感覚に優れ、インタビュー技術も全てが一級品だった」としのんだ。
弔辞を読んだキダは、50年間の親交のお礼を述べたと語り、最後は「中村鋭一、万歳」で締めた。「しめっぽいのは似合わない」として「場違いな感じがして。彼の葬式ならどんちゃん騒ぎしたいくらい」と静かに語った。中村さんは「キダより先に死ぬわけにはいかない」と常々話していたといい、斎場ではキダが作曲し、中村さんが歌った「阪神タイガース音頭」も流された。キダは「罰として(きょうも)歌ってもらいました」と歌声に耳を澄ませた。
阪神が負けた日にはゴミ箱を蹴り飛ばすなど暴れ回ったという中村さん。キダは「負けるととにかく不機嫌で…本物の阪神ファンだった」と振り返った。この日は阪神の安藤統男元監督も参列。「タイガース愛が半端じゃなかった」と話し「タイガースの方も頑張ると思います。あの世でゆっくりしてください」と語りかけた。