猿之助、骨折後初あいさつ「このけがは、良くしかならない」 ワンピース千秋楽
10月9日の舞台「スーパー歌舞伎2 ワンピース」公演中の事故で左腕を骨折し、休演している歌舞伎俳優・市川猿之助(42)が25日、東京・新橋演舞場で行われた同作の千秋楽公演に登場し、負傷後初めてナマ声で観客にあいさつした。カーテンコールに現れた猿之助は「何と、このけがは、良くしかならないそうでございます」と冗談交じりに笑顔でコメント。元気な姿を見せ、ファンを喜ばせた。
上演後のカーテンコールに観客の“待ち人”が現れた。いったん幕が下り、再び上がると猿之助が。サプライズ登場に大歓声が沸き起こった。
患部である左腕全体を固定するようなギプスは付けておらず、軽く拍手もしてみせた猿之助は「何と、このけがは、良くしかならないそうでございます」と明るい表情で言い切った。よもやの負傷から約1カ月半、自らの言葉であいさつするのはこの日が初めて。さらに「私がいなくてもこの芝居は本当にお客さまが入る。入院中、どれだけ励まされたか」と冗談を交え、笑いを誘った。
あいさつは終始にこやかだったが、衣装が舞台の昇降装置に絡まるアクシデントを「本来なら命を失うような事故だったんですが、優秀なスタッフのおかげで腕だけで済みました」と説明。より深刻な事態と“紙一重”だったと振り返った。
猿之助はけがの後も10月30日にカーテンコールに登場。今月も何度か姿を見せていた。この日は壇上で代役を務めた尾上右近(25)とハグ。全78公演中73公演で主人公・ルフィを演じた右近をねぎらった。
“お返し”に右近はルフィのトレードマークの1つである左目下の傷のシールをはがし、猿之助にペタリ。今作は大阪松竹座(18年4月1~25日)と名古屋・御園座(同年5月3~27日)公演を残しており、主役の座を返すようなしぐさだった。
猿之助は全治6カ月ほどと見られているが、今月に退院した。18年1月の東京・歌舞伎座公演「壽 初春大歌舞伎」(1月2~26日)の出演者に名を連ねており、舞台復帰へ向け懸命にリハビリを続けるという。