NHK「仕事の流儀」 登場者逮捕で放送見送り
経済産業省が所管する新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成金約4億3100万円をだまし取ったとし、東京地検特捜部は5日、詐欺容疑で、スーパーコンピューター開発のベンチャー企業「ペジーコンピューティング」(東京)の代表取締役斉藤元章容疑者(49)と元取締役鈴木大介容疑者(47)を逮捕し、同社などを家宅捜索した。
斉藤容疑者はスパコン高性能化の必要性を提唱し、国内外で高い評価を得ていた。ペジー社などが開発したスパコン「暁光(ぎょうこう)」は、今年11月に発表された世界のスパコンの計算速度ランキング4位に入った。
また、斉藤容疑者が、11日放送のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場予定だったことが判明。NHKは逮捕を受け、斉藤容疑者を取り上げる回の放送の見送りを決めた。同局は「地検の捜査が進められているため」としている。
逮捕容疑は、2014年2月、研究開発事業にかかった費用を水増しし、計約7億7300万円だったとする虚偽の実績報告書をNEDOに提出。同3月に助成金をペジー社名義の預金口座に振り込ませ、だまし取った疑い。特捜部は2人の認否を明かしていない。この事業の助成金は前払い金と合わせ、交付が認められる上限の5億円をわずかに下回る計約4億9900万円だった。