NHK 大河、朝ドラ撮影は原則夜9時まで 働き方改革宣言で目標設置

 NHKは7日、2013年に記者職で働いていた佐戸未和さん(当時31歳)が過労死したことを受け、NHKグループ全体での働き方改革宣言を上田良一会長の名前で発表した。発表資料には「NHKグループは、業務に携わるすべての人の健康を最優先に考えます。これまでの慣行を打破して、働き方を抜本的に見直します」とした。その上で、「大河ドラマ(19年放送分から)」、「連続テレビ小説(=朝ドラ、20年度放送分から)」は原則午後9時終了を目指すとした。

 以下、「5つの柱」として

(1)長時間労働に頼らない組織風土をつくります

(2)業務の改革やスクラップを進め、効率的な働き方を追求します

(3)ワーク・ライフ・バランスの充実により人間力を高めます

(4)多様な人材がいききと活躍できる職場を実現します

(5)改革の取組を点検・検証し、常に改善を続けます-の5項目を掲げている。

 また、上田会長をトップにした「働き方改革推進委員会」を設置。長時間労働を招きがちな制作部門のスタジオ収録は来年度から原則午後10時終了を目指すとした。また、撮影期間が長期にわたる「大河ドラマ(19年放送分)」、「連続テレビ小説(=朝ドラ、20年度放送分)」は原則午後9時終了を目指すとした。

 この日に行われた上田会長出席の定例会長会見では、制作局の担当者が現場の現状を説明した。現在の番組収録が何時まで行われているか、という点には「ケースバイケース」とした上で「深夜に及ぶこともあります。それをなるべく効率的に短時間に抑えていけるようにというのが今回の取組です」とした。

 また、「おんな城主直虎」など、近年の大河ドラマが全50話で放送されるものが多かったが、来年の「西郷どん」、再来年の「いだてん」がどちらも47話で組まれている。これについて同担当者は「大河ドラマの話数は50回と決まっているわけではありません」とした「ストーリー全体のバランスから適当ではないかと判断しました」とした。

 出演者のスケジュールや緊急時など、NHKの都合で決められない場合は原則にはとらわれない旨の説明もなされた。

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