NHK 受信料着服した職員を懲戒免職…21件分約58万円、全額弁済

謝罪するNHKの(左から)中田裕之理事、平賀和幸リスク管理部長、正籬聡広報局長
謝罪するNHKの(左から)中田裕之理事、平賀和幸リスク管理部長、正籬聡広報局長
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 NHKは21日、訪問集金した受信料21件分、約58万円を着服したとして、名古屋放送局中央営業センター勤務の男性職員(37)を同日付で懲戒免職としたことを発表した。発令は28日の予定。

 会見した平賀和幸リスク管理部長によると、この男性職員は昨年10月から今年12月にかけて愛知県内で訪問集金により受け取った受信料21件分約58万円を着服したもの。収納の際、訪問先に領収証を発行したが、その後システムから発行履歴を消去。入金せずに報告もしていなかったという。

 今年9月に支払ったはずの受信料の請求が来たという視聴者からの問い合わせがあったが、この職員が対応に際して虚偽の報告記録を残し隠蔽(いんぺい)もしていた。今月5日、別の職員がこの対応記録を不審に思い、調査して着服が発覚した。NHKは「公共放送の職員としてあるまじき行為。厳しく対処した」と懲戒免職処分とした。職員は着服の動機について「親族の病気の治療で借金があった」と話しているという。着服した金額は、今月20日に全額を弁済した。

 NHKは刑事告訴を検討している。また今回の不祥事を受け、営業管理システムの改修し、職員自ら情報や記録を修正できないようにするなど再発防止策を実施した。

 NHKの受信料に関しては、今月6日に最高裁が、NHK受信契約の義務規定を初めて「合憲」と判断し、注目が集まった。そんな中での不祥事に、中田裕之理事は「今回の事案を重く厳粛に受け止め視聴者の皆さまにおわびいたします」と謝罪。今後の業務管理を一層徹底していくという。

 今回の不祥事で男性の上司7人も同日付で出勤停止または訓告の処分としたほか、担当の松原洋一理事が報酬の10%を1カ月、自主返納する。

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