北京五輪野球代表で元西武外野手のＧ．Ｇ．佐藤氏が７日、テレビ朝日系「ビートたけしのスポーツ大将特別編　私はコレでメダルを獲りました」に出演し、当時の代表監督で４日に７０歳で亡くなった星野仙一氏の人柄を表すエピソードを明かした。

　佐藤氏は２００８年の北京五輪に出場。左翼を守った準決勝の韓国戦では、トンネルに落球とミスを重ねると、３位決定戦でも飛球をエラーし、メダル獲得はならなかった。

　佐藤氏は「星野監督は闘将なので金メダル以外いらないと。試合前のダッグアウトでも、国民に金メダルを持って帰るぞと。“金メダルを獲りに行くぞ”と鼓舞した」と振り返り、星野監督のゲキに緊張度が高まったと明かした。

　佐藤氏は法政大学の先輩である田淵幸一、山本浩二の両コーチに、ガチガチにかたくなった自分自身の状態を伝えに行ったが、「怖くて相談もできなかった」と緊張を抱えたまま出場し、失策を犯した。

　その理由についてはこれまで「普段、ライトを守っていてレフトに慣れていなかった」と説明してきたが、佐藤氏は「星野監督、田淵コーチ、山本浩二コーチが怖くてフライを捕れませんでした」と“痛恨エラー”の真相を激白した。

　それでも星野監督は３位決定戦でも、「すぐに使ってあげないと彼の野球人生がダメになる」と佐藤氏を男気起用した。

　期待に応えられなかった佐藤氏は帰国するとすぐに星野監督に宛て「自分自身のせいで負けてしまい、申し訳ありませんでした」という謝罪の手紙を書いた。

　星野監督は当時ヤクルトの宮本慎也キャプテンを通じ、「手紙をもらったけれど、気にせずに、お前の野球人生を一生懸命に頑張れ」と佐藤氏に激励メッセージを送ったという。佐藤氏は「期待に応えられなかったことが本当に悔しい」と振り返っていた。