藤井四段 佐藤名人に勝利 タイトル保持者に公式戦で初
中学3年生の最年少棋士・藤井聡太四段(15)が14日、名古屋市内で行われた朝日杯将棋オープン戦で佐藤天彦名人(29)を破り、準決勝へ進出した。
藤井四段が公式戦でタイトル保持者に勝利するのは初めて。特に名人は将棋界で最も伝統あるタイトルとあって、「早指しではありますが、名人に勝ったことは自信になりました」と喜びを語った。
地元・愛知での公開対局とあって、指定席は全席完売。約580人のファンが対局の行方を見守った。中盤から差を広げた藤井四段は、「序盤から力戦模様で難しい将棋だった。最後に押し切れて良かった」と安堵(あんど)の表情。佐藤名人は「中終盤の指し手が的確で差が縮まらなかった。逆転の目を探して粘ったが、的確に対応された」と称賛を贈った。
準決勝は羽生善治竜王(47)と対局する。非公式戦では1勝1敗だが、公式戦では初対局となる。藤井四段は「羽生竜王は将棋を始めたときから第一線で活躍されていた。子どもの頃に憧れていた人と対局できることはうれしい」と語り、「全力を尽くしていい将棋をお見せできれば」と決意を示した。準決勝と決勝は来月17日に行われ、藤井四段が優勝した場合、15歳6カ月という史上最年少での棋戦優勝となる。