ダイアモンド☆ユカイ 有栖川宮詐欺事件を回顧 「お札がちりばめられて」
歌手・ダイアモンド☆ユカイ(55)が15日放送のフジテレビ系情報ワイド「バイキング」にVTR出演し、皇族と称して結婚披露宴を開き、祝儀など約1200万円をだまし取った2003年の「有栖川宮事件」に余興で出演した当時の経緯を語った。
「有栖川宮事件」とは、大正時代に断絶した皇族「有栖川宮」を名乗った夫妻が『有栖川宮記念祝晩餐会』と銘打った披露宴を開き、327人の出席者から祝儀約1200万円と高級絵画をだまし取った事件。披露宴には俳優・石田純一や元東京都議ら著名人が出席しており、石田は後に、警察から“広告塔”と疑われ、取り調べを受けたことを明かしている。
当時、バンドを解散して1人で活動していたユカイのもとに、ラジオのプロデューサーを名乗る人物から「宮様の結婚式を仕切るから出演してくれ」と依頼が来たという。
有栖川宮を名乗る2人にも披露宴前に会い「2人からは、有栖川宮の血を引くが、今は皇族の立場ではないが、また復帰するんだと言われた。説得力あった」と、その時は違和感を覚えなかったという。
披露宴当日に会場を訪ねると、そこは会員制ラウンジのような場所。玄関では出演依頼をしてきたプロデューサーが、バラの花を床に敷き詰めていたという。ユカイは「宮様の結婚式はわりと手作りなんだな」と、不思議な印象は受けたものの、余興で演奏した。
終了後、ギャラを受け取るために関係先のホテルを訪れるととても怪しい光景が。「無造作にお札がちりばめられていて、それを取って『はい、これ』みたいな(感じで渡された)。ご祝儀から出してる感じ」と振り返った。「これヤバいんじゃないかと、バンドマンと言いながら帰った」と話した。
その後、有栖川宮を名乗った2人とラジオプロデューサーは詐欺の疑いで逮捕された。ユカイも、友人から「お前、テレビに出てるぞ」と言われたため視聴すると、演奏する様子が報じられていた。「犯人みたいで、なんだこれと思って、ニセ有栖川事件って」と、その“恐怖”を振り返った。
逮捕された“夫妻”は十二単(ひとえ)と衣冠束帯姿で披露宴を開き、祝儀だけではなく、出席者との個別の記念撮影で写真1枚につき1万円をだまし取ったとされる。03年10月21日に詐欺容疑で逮捕された“夫妻”は、実は婚姻関係がなく、皇族とも何の関係もなかった。