新潮社と清水潔氏が「チェイス」配信中止申し入れ 「殺人犯は-」に「相当似ている」
出版社の新潮社が18日、同社と同社が刊行している「殺人犯はそこにいる 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件」の著者・清水潔氏が17日付けの書面で、Amazonプライム・ビデオで配信されているドラマ「チェイス」の配信を即時中止するよう、アマゾンジャパン合同会社と、制作会社のJOKER FILMS株式会社に申し入れたと発表した。原作として関与していないにもかかわらず、「チェイス」が「殺人犯はそこにいる-」に類似している点を新潮社側が問題視した。
「チェイス」はAmazonの動画配信サービス「プライム・ビデオ」で昨年12月22日から「第1章」が配信されているドラマ。配信開始当初から、ネット上を中心に「チェイス」の内容と、「殺人犯はそこにいる-」の類似性を指摘する声が多く見られていた。18日午後2時40分の時点では作品は配信されている。
デイリースポーツの問い合わせに新潮社の担当者は「もともとご覧になった方から原作ですかと問い合わせがあったので、こちらとしては全く関知していませんとお答えしていたんですけれども、実際、ドラマが放映されて、こちらでもいろいろ内容を確認したところ、かなり類似性が多かったというところで、配信中止を申し入れたということです。相当似ているなというところですね」と経緯を説明した。
具体的な類似点としては、事実の選択・配列の結果であるストーリー展開、場景描写、具体的なセリフなどを挙げた。また、この問い合わせの時点では両社からの返答はないという。
新潮社は「ドラマ『チェイス』に関しては多くの皆様から、清水氏の著作が原作なのではないか、との問い合わせを頂いておりますが、弊社および清水氏は本ドラマの制作について何ら関知いたしておりません」と説明している。
また、「殺人犯はそこにいる-」の映像化そのものは同書籍の販売後から「数多くのお話を頂戴しております」としつつ、「事件の被害者であるご遺族の感情に配慮し、弊社および清水氏は慎重を期して検討を進めております」としている。