新潮社は１８日、アマゾン・ジャパンなどが配信するインターネットドラマ「チェイス」に対し、１７日付の書面で即時配信中止を申し入れたと発表した。新潮社発行のノンフィクション「殺人犯はそこにいる」（清水潔著）と酷似しているとの指摘が同社に多数寄せられていたが、新潮社は「制作には関知していない」としている。

　「チェイス」は昨年１２月２２日から、アマゾンの動画配信サービス「プライム・ビデオ」のオリジナルドラマとして毎週配信されている。フリージャーナリストらが２７年前の連続幼女殺人事件の真相に迫るサスペンス。新潮社の担当者は配信された１～５話と「殺人犯－」の内容を比較した上で、ストーリー展開、エピソードの選択、情景描写などで多くの共通点、類似点があったと指摘した。

　「殺人犯－」は、栃木、群馬県境で女児５人が殺害されるか行方不明になった事件を追った作品。新潮社は「遺族の感情に配慮」し、映像化に慎重な姿勢を崩していない。

　一方のアマゾンは「現在対応を検討中」としている。アマゾンとドラマを共同で制作するジョーカーフィルムズは今月１日付で「客観的に明らかとなった周知の事実を踏まえて『架空の物語』を創作した。特定個人の創作的表現を用いることも行っておりません」とのコメントを発表していた。