小室引退…KEIKOの介護に「疲れ」 不倫疑惑に「ケジメ」

 看護師女性との不倫疑惑を報じられた音楽プロデューサー・小室哲哉(59)が19日、都内で会見し、音楽活動引退を電撃発表した。「罪があれば、必ず罰を受けないといけない」と決断理由を説明し、くも膜下出血で倒れた妻・KEIKO(45)の介護を続ける苦悩や、左耳の突発性難聴など体調不良も告白。TKブームで時代を築き、手掛けたCDの売上総数は約1億7000万枚。類いまれなる才能が、“不祥事”をきっかけに第一線を退くことになった。

 日本音楽史にさん然と功績を輝かせる名プロデューサーが、不本意な形で幕引きを迎えた。18日発売の「週刊文春」で報じられた、看護師A子さんとの不倫疑惑報道を受けての会見冒頭。謝罪の言葉に続いて、「僕なりのこの騒動のケジメとして、引退を決意しました」と静かに表明し、5秒間沈黙した。

 自宅で一夜を共にしたと報じられたA子さんとの不倫を、「男女の関係はありません」と集まった報道陣150人にキッパリ否定。一方で、医療行為のために会っていたと主張するA子さんへの感情を、「甘えたと思いますし、好意もあります」と明かし、「あやしい、おかしいというのも当然だと思います。不徳の致すところ」と猛省した。

 リハビリ中のKEIKOにも、不倫騒動や引退を報告したというが、「一般の奥さまとは違うので、どれくらい理解してもらえたのか…」とおもんぱかった。KEIKOが倒れた2011年以降、介護を続けているが「僕もちょっと疲れ始めたのが、3年くらい前からあったと思います」と苦しい胸中も吐露。それでも離婚の可能性は否定し、「今の子供のようなKEIKOの方が愛は深くなっています」と夫婦の絆を強調した。

 35年に及ぶ波瀾(はらん)万丈の音楽生活も総括。プロデューサーとして安室奈美恵(40)、TRFらをスターダムに押し上げ、自身もTM NETWORKとglobeでヒット曲を連発…栄光の歩みをたどるうちに、感極まって何度も目頭を押さえた。09年には音楽著作権を巡る詐欺事件で有罪判決を受けたが、「『文春』さんの取材を受けているとき、裁判所で判決を聞いていたのと同じ気分になりました」と引退の引き金を、“人生の汚点”にだぶらせた。

 今年11月には還暦を迎えるが、「60というのは大きな節目。能力を超えての創作はどうなのか、疑問が出てました。不安、懸念、自信のなさが、日に日に増えていました」と“限界”を感じ始めていたことも、赤裸々に告白した。“文春砲”で想定時期より早まった引退。「『悔いなし』という言葉は出てこないです」。不世出の天才音楽家は引き際に未練を残した。

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