桂文枝に劇場命名ヤラセ疑惑 知人女性に応募指示? NPO理事長が会見で否定も…
公費が投入され、今夏に神戸・新開地に開場予定の演芸場「神戸新開地・喜楽館」の一般公募による名称決定時に、上方落語協会の桂文枝会長(74)が知人女性を介在させた疑惑報道があり、23日、文枝と名称決定を行った「新開地まちづくりNPO」の高四代理事長(70)が会見した。
同理事長は名称決定自体はルール通りに行ったと説明。しかし女性介在の真偽は、文枝からNPOに説明がない状態で、疑惑が晴れない結果となった。
「喜楽館」は兵庫県と神戸市から計1億円の助成金を受け、現在建設中。昨春に行った劇場名の一般公募では1046通の応募があり、これを受けて文枝と高理事長の2人で選考・決定し、昨年8月に県知事、市長同席の会見で発表した。
22日発売の「週刊現代」は、文枝が公募時期に知人女性に「喜楽館」の名称での応募を指示したうえで、これを採用。女性が「命名者」になったとの疑惑を公的性格の強い事業を巡る「ヤラセ事件」と報じている。
会見した高理事長は、選考自体は「文枝さん1人では決められなかった」と強調。昨夏にNPO事務局長も同席した会議で、文枝が「喜楽」を希望し、高理事長も意見が一致。「喜楽館」の応募が5通あったことで決定に至ったと説明した。
その場で、文枝から知人女性に応募させた旨の話は「聞いていない。聞いていれば問題になる」と否定。5通の中から抽選で1人を選び「命名者」(非公表)として景品を送ったが、その人物が文枝の知人女性かは「確認が難しい」とした。
文枝からは「ご迷惑をおかけしました」と謝罪があったが、女性に応募させた疑惑の真偽説明はないという。高理事長は、女性に応募させたことが事実なら「ルールに直接違反しないが、モラル的問題はあると思う」と述べた。今後の真偽解明は「我々が行うべきものなのか」とした。
県や市からは対応は任されているといい、現状、再公募などの予定はないとした。
文枝は22日にMBSラジオの生番組に出演したが、報道陣への対応はなし。上方落語協会の事務局もこの日、「現状、対応させていただく予定は入っておりません」とした。