周防監督、無声映画の時代を描く 新作は原点回帰!東映と初タッグ
「Shall we ダンス?」(1996年)、「それでもボクはやってない」(07年)などで知られる映画監督の周防正行氏(61)が、「活劇」をテーマにした新作を手掛けることが31日、分かった。配給の東映が発表した。大正時代の無声映画をめぐる人々の青春を描いた群像劇で、公開は19年下半期の予定。映画の原点ともいえる無声映画に戻り、新たな周防ワールドが展開される。
14年公開の「舞妓はレディ」以来となる周防作品は、原点回帰となる「映画」に真正面から向き合う。大正時代、まだ日本では「活動写真」と呼ばれた無声映画に、「活動弁士」が声を吹き込んで公開されていたころ、映画黎明(れいめい)期の熱き若者たちを描く。
学生相撲、社交ダンス、痴漢裁判などテーマ設定に強いこだわりを持つ周防監督が、あえて選んだ“原点回帰”。その裏には、還暦を越えた現在だからこそ、ピンク映画を手がけていたデビュー当時の新鮮さを思い起こし、その雰囲気を借りて青春映画を撮りたいという思いが存在するという。
主役となるのは、活動弁士ら映画制作に関わる若者たち。プロデューサーの桝井省志氏によると、8人程度のメインキャストを念頭に、近く主演のオーディションを行う予定だという。
また、作中では、名が知られていながら作品自体が現存していない無声映画を、当時の資料を基に再撮影し上映する。映画の歴史には名が残っていた“幻の名作”がスクリーン上で復活することになる。
今作で東映との初タッグとなる周防監督は「『活動写真』と呼ばれていた映画に魅了された人々の青春を、痛快な『活劇』として描き、技術革新が続いても本質的には変わらない映画の面白さ、楽しさ、魅力が湧き上がるものにしたい」と意欲のコメント。今年9月ごろには撮影を開始し、来年夏以降の公開を予定している。