吉永小百合 あふれる北海道愛 命名150年目をお祝い「いつでも夢を」熱唱
今年、命名から150年目を迎える北海道のキックオフ特別イベント「キタデミー賞」授賞式が5日、札幌市内で開催され、女優・吉永小百合(72)、地元出身の歌手・北島三郎(81)、映画監督の山田洋次氏(86)、女優・樹木希林(75)らが参加した。
稚内、網走ロケを行った映画「北の桜守」の公開を3月10日に控える吉永は主演女優賞を受賞。ステージで1962年の日本レコード大賞受賞曲「いつでも夢を」を樹木、札幌旭丘高校合唱部とともに披露し、北海道の節目を祝福した。
“北海道オタク”を自称する吉永が、大好きな場所で終始、笑顔を振りまいた。
「地平線が見える場所は本州にあまりない。広いな、大きいなって。山が好きなので、いろいろな山が北海道にはある。スキーで滑りたい、登りたいと思ったり。3年前にはオホーツク海に行って、流氷の魅力にとりつかれた」。北海道への思いを聞かれると、言葉が一気にあふれ出た。
初めての来訪は映画「疾風小僧」(60年公開)のロケだった。当時は15歳、「1人で行って、ホームシックになって泣いたのを覚えています」と振り返った。しかし、雄大な自然に魅せられて何度も足を運ぶようになった。「乗馬やスキーで来るようになって、すっかり北海道オタクになりました」と愛情たっぷり。その後、高倉健さんと共演した「動乱」(80年)のサロベツ原野での撮影以降、本業でもたびたび訪問。1人で石狩川の河口で1日過ごした経験も明かした。
愛する場所の節目を祝う記念イベントで主演女優賞を手にした吉永は、歌でお返しした。橋幸夫(74)とのデュエットで62年の日本レコード大賞に輝いた「いつでも夢を」。同曲の生歌唱は久々で、本人も記憶にないほど。かつて樹木から「『歌ヘタだね』と言われたことがある」と明かしながら、高校生とのコラボで「♪星よりひそかに…」と美声を響かせた。
この日の札幌は最高気温マイナス0・1度。雪の降る中でのレッドカーペットでは「小百合ちゃ~ん!」と歓声を浴びるなど、道民から熱く迎えられた。吉永は「北海道に心から感謝しています」と改めてあいさつした。北の大地への愛情はますます深まりそうだ。
授賞式前の会見には吉永、歌曲賞の北島、監督賞の山田監督、樹木が勢ぞろいした。「このメンバーで新作映画は?」と聞かれた吉永が「山田監督にお願いするしかないですね」。山田監督も「これを製作発表の場にしますか」と乗り気となった。さらに北島の主題歌案に山田監督と樹木が「いいですね」と同調して盛り上がった。
また、北島と吉永は、吉永がレコ大を受賞した62年に、北島が新人賞を取って以来の再会。北島は「当時、吉永とデュエットした(橋)幸夫さんがうらやましくて」と振り返り笑わせた。