【羽生・藤井公式戦初対局】(3)予想は難解、つるの剛士もファンも興奮隠せず

 永世七冠の称号を手にした羽生善治竜王と最年少棋士・藤井聡太五段が17日、朝日杯将棋オープン戦準決勝(東京・有楽町朝日ホール)で公式戦初対局する。棋界の記録を数々打ち立ててきた第一人者と、その記録を塗り替えてきた若武者。将棋界の未来を占う一局を4回の集中連載で追う。

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 羽生善治竜王と藤井聡太五段の対局は、芸能界や巷(ちまた)の将棋ファンも熱視線を向けている。

 タレントで歌手のつるの剛士(42)はアマ三段と、芸能界随一の棋力を誇る。過去にNHK「将棋フォーカス」「将棋講座」にも出演し、羽生竜王をはじめ、プロ棋士との交遊も多い。そんな芸能界の“名人”は「2月17日は、前代未聞の記録を持つ生きる伝説同士が対戦する伝説の日。こんな対局を観戦できるなんて、将棋ファンでよかった」と天才同士の激突に興奮を隠さない。

 見どころは「朝日杯オープンは、対局時間が短い対局なので、両者がどのような戦型で対局するのか」に置く。「前回の非公式戦では、藤井聡太五段(当時四段)に羽生先生が振り飛車、しかも“藤井システム”で対抗して、ファンを喜ばせてくれた。その時は羽生先生が勝ちという結果だったが、今回は羽生先生がどう出るか」と、予想は難解のようだ。

 藤井五段が吹かせた新風が、将棋界を一新する期待も寄せ「今までの将棋界は、羽生世代といわれる層がとても厚い時代が続いていたが、昨今は佐藤天彦名人、中村大地王座ら、若手棋士がタイトルを獲得していて、世代交代を感じさせる。さらにその下の世代の藤井聡太くんが、これからの将棋界を盛り上げてくれることを楽しみにしている。藤井五段とはまだ一度もお会いしたことはないので、いつかお会いしたい」と語った。

 一方、NHK連続テレビ小説「ふたりっ子」の舞台にもなった将棋の街、大阪・新世界でも注目が集まっている。新世界の将棋クラブ「三桂クラブ」に集まった将棋ファンは、羽生竜王勝利の声が7割ほどだった。

 70歳の愛好家男性は「羽生竜王が勝つと思う。今までの経験と実績がある」と予想。74歳のアマ四段保有者は「永世七冠の資格を持った羽生さんが、ここは負けられない。力を発揮するはず」と見通した。対して「藤井五段に勝ってほしい。頭を下げて考え込んでいる姿がかわいい。記録を作ってほしい」(72歳男性)と藤井五段を応援する声もあった。

 天才と神の子の対決には、予想すら恐れ多いという声も多い。70代男性は「やってみないと分からない。俺たちに分かるわけないでしょ」と苦笑い。熱く静かに見守りたいというファン心理が、対局の重い意味を示している。(特別取材班)

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