藤井五段わずか16日、無敗で五段卒業 賞金750万「遊んでしまわないように」
最年少棋士の藤井聡太五段(15)が17日、都内で行われた朝日杯将棋オープン戦で羽生善治竜王(47)らを破り、優勝を果たした。公式の一般棋戦を中学生が優勝するのは史上初。最年少優勝記録を更新し、同日付で六段へ昇段した。優勝を決め、会見に臨んだ藤井新六段は「(朝日杯への)初参加での優勝は望外の結果」と喜びを語った。
午前中の準決勝で憧れの羽生竜王を破った藤井五段は、「いい緊張感のまま」決勝戦へ。準決勝に続いて先手番となり、戦型は得意の角換わり腰掛け銀。中盤でリード優勢を築き、悠々と勝利した。
15歳6カ月での一般棋戦優勝は、加藤一二三・九段(78)が1955年度の「六、五、四段戦」で達成した15歳10カ月を4カ月更新する最年少記録。全棋士参加棋戦優勝も、同じく加藤九段の17歳0カ月を大きく更新。中学生での六段昇段も史上初となった。
全棋士参加の棋戦Vでについては「望外の結果。ここまでこれると思っていなかった」としつつ、「ゴールではないので、気を引き締めていきたい」と控えめ。史上最年少でのタイトル獲得には「それはこれからの頑張りにかかっている」と言葉に力を込めた。
2月1日の五段昇段からわずか16日で到達した「中学生六段」については、「昇段から半年…、あっ、半月ほどしかたっていなくて、昇段できると思っていなかったので、とても驚いています」と言い間違い、笑いを誘うシーンも。優勝賞金750万円という大金も手にしたが、「使い道は考えてませんが、これで遊んでしまわないように」と初々しく話した。