大杉漣さんに助演男優賞 アウトレイジ軍団・松重豊「これからも見守って」

 助演男優賞を受賞した(左から)大森南朋、ピエール瀧、松重豊=グランドプリンスホテル高輪(撮影・園田高夫)
天国の大杉漣さんに向かってメッセージを送る西田敏行、左は塩見三省=東京・品川
大杉漣さん 
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 北野武監督(71)が審査委員長を務めた「第27回東スポ映画大賞」の授賞式が25日、都内で行われ、21日に急死した俳優・大杉漣さん(享年66)が北野監督作の「アウトレイジ 最終章」で助演男優賞を受賞した。同作で一緒に助演男優賞に輝いた俳優・松重豊(55)、主演男優賞の西田敏行(70)ら“アウトレイジ軍団”が故人を悼んだ。

 最期を看取った松重が、大杉さんの死について初めて口を開いた。

 大杉さんは20日夜、テレビ東京のドラマ「バイプレイヤーズ」のロケを終え、松重、田口トモロヲ(60)、光石研(56)と一緒に食事をした後、ホテルの部屋に戻り、体調が急変。食事の席にいなかった遠藤憲一(56)を含め、バイプレイヤーズ仲間4人らに看取られ、21日未明に亡くなった。

 体調不良を訴えた大杉さんに付き添い、病院に行った松重は「映画デビューのとき、大杉漣さんに映画の楽しさを手取り足取り教えてもらった」と感謝の思いを語り、「世間的にも認知されることになった漣さんの北野映画に僕も出て、晴れがましい場所に一緒に立てるんですよねって喜びを、つい4日ほど前に千葉の海でやった(伝えた)…」と亡くなる直前の会話を述懐。「残念ですけど、湿っぽいことはやらない(嫌いな)人なんで…。漣さん、これからも日本の映画を、僕たちを見守って下さい」と悲しみをこらえ、天国に呼びかけた。

 西田は「大杉漣という戦友を失いました。あんな…急逝…突然逝ってしまうのは、大杉漣らしいと思ってます。人間の死は寿命だと思わないと、納得できないんで…」と自らに言い聞かせるように語った。そして、陽気な人柄で愛された大杉さんに「漣ちゃん、ずっと出演していた北野作品は私にスライドすることになりました」と明るく言葉を掛けた。

 2014年3月に脳出血を発症し、5カ月入院し、復帰した塩見三省(70)は杖をついて登場。「俺はこんな体になったけど、もう少しやってみるよ。ありがとう」とていこうと思います」と言葉を振り絞った。

 「ソナチネ」(93年)で大杉さんを発掘した北野監督は、冒頭から「大杉漣さんのことがあって、あまりくだらないことばかり言ってる場合じゃない」と爆笑が恒例の式で寂しそうな表情を見せた。式中には「映画って半分以上は役者さん(の演技)」と、以前とは変化した思いを明かす場面もあった。

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