渡辺謙ら声優の米映画「犬ヶ島」サントラ5月発売 黒澤明映画の楽曲も収録
渡辺謙、夏木マリ、村上虹郎、ヨーコ・オノらが声優として出演し、全編にわたって日本が舞台となっているウェス・アンダーソン監督の新作映画「犬ヶ島」(全米公開3月23日、日本公開5月)のサントラ盤がABKCO(国内はユニバーサル)から発売されることが1日、発表された。輸入盤、配信は3月23日、LPは夏に発売され、日本盤は5月発売予定だ。
「犬ヶ島」はアカデミー賞で4部門を獲得した「グランド・ブダペスト・ホテル」(2014年)以来となるアンダーソン監督の新作で、ストップモーションアニメ映画としては09年の「ファンタスティック Mr.FOX」以来の監督作。失踪した愛犬を探す12歳の少年アタリと犬たちの壮大な旅と冒険を描いている。今年のベルリン国際映画祭でオープニングを飾り、銀熊賞(最優秀監督賞)を受賞した。
声優としてヨーコ・オノ、渡辺謙、夏木マリ、村上虹郎、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、フランシス・マクドーマンド、スカーレット・ヨハンソン、ハーヴェイ・カイテル、F・マーリー・エイブラハム、ティルダ・スウィントンらトップスターが多数、出演している。
サントラは「-Mr. Fox」、「ムーンライズ・キングダム」、「グランド-」に続き、アンダーソン作品4回目の登板となるアレクサンドル・デスプラが担当。「グランド-」ではアカデミー賞の作曲賞、グラミー賞の最優秀サウンドトラック・アルバム作曲賞を受賞している。
サントラにはオリジナルのスコアやサイケポップバンド「ウエスト・コースト・ポップ・アート・エクスペリメンタル・バンド」、ジャズバンド「ソーター・フィネガン・オーケストラ」の楽曲に加え、黒澤明監督作品「七人の侍」の「勘兵衛と勝四郎~菊千代のマンボ」、同「醉いどれ天使」の「小雨の丘」、歌手兼女優の暁テル子が1951年にリリースした「東京シューシャインボーイ」、和太鼓奏者・渡辺薫の和太鼓演奏といった、日本ゆかりの楽曲も収録されている。
音楽監修を担当したランドール・ポスターは「ウェスも私も、この映画の音楽すべてに心から満足している。アレクサンドルは、“太鼓”を基調に用い、ほかに例のないユニークで確かな方向性を持った映画音楽を作り上げてくれた。私たちは黒澤映画の音楽に惹かれ、近付きたいと考えていた。そしてウェスは、いつものように彼だけのやり方で、黒澤作品に対する敬意を見事に表現してみせた」と語っている。