仏映画の名匠アニエス・ヴァルダの新作にインディペンデント・スピリット賞

映画「顔たち、ところどころ」
映画「顔たち、ところどころ」のポスター
映画「顔たち、ところどころ」
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 「5時から7時までのクレオ」「幸福」などで知られ、“ヌーベルバーグの祖母”とも呼ばれるフランス映画の名匠アニエス・ヴァルダとフランス人アーティスト・JRの共同監督作品「顔たち、ところどころ」(9月日本公開予定)が3日(日本時間4日)、第33回インディペンデント・スピリット・アワード最優秀ドキュメンタリー賞を受賞した。

 同賞は米アカデミー賞の授賞式前日にロサンゼルスで開催される、文字通りインディペンデント・スピリットを持った作品に贈られる賞。70分以上の長編で、2000万ドル以下で作られた作品が対象となる。

 ヴァルダは「独立していることが尊重されるこの場にいられて、いい気分です。“少ないお金で作られた映画”部門でも受賞できたと思うわ!」、JRは「今日はダンボールじゃなくて、本物のアニエスのとなりにいられてうれしいです。最初から映画を作ろうとしていたわけではなく、アニエスと出会ってすぐに意気投合して友情が芽生え、旅に出ることにしたんです。今日ここで映画として認識されて、みなさんとこの旅をご一緒できたこと、うれしく思います。まさにインディペンデントな状況で始まったこのプロジェクトは、みんながオンラインでお金を送ってくれ、支援をしてくれ、プロデューサーが付き…という感じで進んでいきました。ありがとう!」とコメントした。

 JRのコメントにあるように、アカデミー賞にノミネートされた人々が集うランチパーティーでは、JRと共にダンボール製等身大パネルのヴァルダが参加したことが大きな話題を呼んでいる。

 ヴァルダは2015年にカンヌ国際映画祭で史上6人目となるパルムドール名誉賞、昨年9月には米アカデミー名誉賞を受賞するなど、戦後のフランス映画を代表する名匠の一人。JRは一般人が自分のポートレートをプロジェクトのホームページに送り、大きなポスターになって返送されてきた写真を好きな場所に貼るという参加型アートプロジェクト「インサイド・アウト」で知られる。

 本作は2人がフランスの田舎を旅しながら、村々に住む市井の人々と接し、作品を一緒に作り残していくロードムービースタイルのドキュメンタリー。第70回カンヌ国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞ルイユ・ドール(金の眼賞)、第42回トロント国際映画祭で最高賞にあたるピープルズ・チョイス・アワード(観客賞)のドキュメンタリー部門を受賞している。

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