これが私と自信を持って言える初の写真集…清野菜名の後輩・芋生悠(2)

神戸を訪れた芋生悠
初の写真集を手にする芋生悠。裏表紙には自筆で「夢 映画の中で死ぬ。」=神戸市内
初の写真集を手にする芋生悠=神戸市内
3枚

 女優・芋生悠=いもう・はるか=(20)のファースト写真集「はじめての舞台」が2月に発売された。若い女性芸能人の写真集だがアイドル的な作りではなく、タイトル通り昨秋、「欲浅物語」で初舞台を踏んだ際のドキュメンタリー写真集だ。初舞台の写真集ながら、裏表紙に自筆で「夢 映画の中で死ぬ。」としたため、人気・実力ともに若手女優のトップクラスにいる清野菜名(23)の後輩でもある新進女優に聞く、その(2)。

  ◇  ◇

 -写真集で撮られているのが、タイトル通り初舞台ですね。

 「そうですね。初めての舞台です」

 -それまでも映画やドラマ、CM、ミュージックビデオなど映像作品には数多く出ていますが、舞台と映像の違いを感じた点は。

 「声を出さないといけないのが壁でした。映像だと、声のボリュームというよりは、相手とのコミュニケーションから生まれたボリュームでいいんだけど、舞台だと絶対に聞かせないといけないっていうのがあって。お客さんを意識するっていう、その意識がもう分からなくて、ずっと演出家さんには聞いてたんですけど。声をデカくしたらデカくしたで、全然感情がついてこなくて、『どうしたらいいんですかねえ』って言ったら、取りあえず声が出せるっていうのは大前提で、もう一段階上が、コミュニケーションがちゃんとできるようになるとか、ちゃんと物語の流れに沿って感情を作るとかやった方がいいって言われて、カラオケに通い詰めました」

 -舞台上で、コンテストの時のような「ゾワッとする感覚」は。

 「ありましたね。足元がすくむっていうか、一瞬入る瞬間があると、浮くというか、やばい、地に足がついてないようなフワッとする感覚があって、舞台の面白さってこれかなと思って。映像だと、シーンを撮り終えたら、もうそれでしかないんですけど、舞台だと同じシーンでも毎回違う感覚が得られるので。初めてだったので怖い物もなくて、毎日リセットして、全然違う気持ちでいこうってなってたんですけど、千秋楽近くなると全然違ったりして。楓(役名)になっていくので、自分じゃない瞬間があって、ふと我に返るとやばいっていう時があります。セリフとかも追わずに楓として出てくるセリフがあったので。最初からずっとそうなればいいなっていうことができたっていうのはすごくうれしかったです」

 -写真集の撮影期間は。

 「1カ月位です。最初は2日間か3日間くらいで撮るっていう話だったんですけど、(カメラマンの)岩澤高雄さんが『最初会ってみて、すごいいいなって思ったから1カ月密着したい』っていうのを伝えたっていうのを聞いて、すごくうれしかったです」

 -初舞台で、初写真集をずっと撮られているのも重なるのは。

 「人生の中でターニングポイントになるんだろうなっていうのを感覚的に感じて。初めての写真集は絶対に19歳(撮影時)の内に出したいっていうのが夢だったので、かなえられたっていうのはうれしかったし、初めての舞台もできたっていうので。絶対に自分はここに、命かけて魂込めてやりたいなっていう気持ちでやったんですけど、それが全部ちゃんと写っていて。カメラマンさんも嘘がない、すごく正直な人で。私が覚悟決めてやってるっていうのもちゃんと分かってくれた上で撮ってくれているので、自分が見ても、ここを撮ってほしいっていう写真が全部写っている感じがして、すごく自信があります」

 -密着撮影されていて、気にならないものなんですか。

 「けっこう気になる時があって。さすがにちょっと集中したいなとか、悩む時もあるし、うまくいかないなみたいな時、撮ってほしくないなって思う時が…距離がある写真があるんですよ、すごく遠くから。それはカメラマンさんが察して、距離を取ってくれている写真で。振り返ってみると、あ、私これ集中してる時だっていうのが距離感でわかるので面白いです」

 -それは岩澤さんに伝えましたか。

 「何回か言いました。そういう時、カメラマンさん、なんか変わった方というか、私が撮ってほしくないって言う時こそ、ちゃんとおさめたかったらしく。不機嫌な時もありました、私が。何で撮るの?みたいな。撮らないでって言ったじゃん、みたいな」

 -若い女性の芸能人の写真集はアイドル的な作りが多いですが、これはドキュメンタリー的な作りです。最初にアイドル的な写真集の話が来ていたら。

 「どこかで自分じゃない部分は出したいとは思うんですけど。これがありのままなんですけど、ちょっと着飾ったというか、少し大人びた、みたいなものも出したいなっていうのもあったんですけど。でも、やっぱり初めましてなので。きっと、これを見てくれた人って大半の人が初めましての方で、そういう人たちに『これが私です、初めまして』ってちゃんと自信を持って言える写真集が出したかったので、どういうふうにルートがあったとしても、こういう写真集になってたんだろうなっていうのはあります」

      (続く)

 ◇芋生悠(いもう・はるか)1997年12月18日、熊本県出身。身長164センチ、体重45キロ。趣味・美術。特技・書道、空手、水泳、長距離走、百人一首、バスケットボール。2014年、ジュノン・ガールズ・コンテストでファイナリストとなり、芸能界入り。出演映画「野球部員、演劇の舞台に立つ」が公開中。4月スタートのTBS系連続ドラマ「花のち晴れ~花男 Next Saeson~」にレギュラー出演する。

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