大杉漣さん 死の前日に放った言葉…遺作「バイプレイヤーズ」最終回完成
先月21日に急死した俳優の大杉漣さんが、亡くなる数時間前まで撮影に参加していたテレビ東京の連続ドラマ「バイプレイヤーズ ~もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら~」(水曜、後9・54)が、7日に最終回を迎える。大杉さんの撮影シーンは残っていたが、テレビ東京は放送継続のため尽力。放送を前に制作陣がコメントを発表し、松居大悟監督は大杉さんへの思いを込め、サブタイトルを「バイプレイヤーより愛をこめて」にしたと明かした。
テレビ東京は、ストーリーの変更など、詳細については「あらすじまでに留めさせてください。番組を楽しみに見ていただけたらと思います」と多くを語らなかった。大杉さんら“名脇役”たちが実名で登場するドラマの最終回(第5話)のあらすじは以下の通り。
「クランクアップを間近に控えたある日、予知夢のような夢を見た大杉は、スタッフへの恩返しを決意する。島を離れることにした遠藤、田口、松重、光石の4人だが、島ハウスを出る前に大杉が書いたある手紙を発見する…。スタッフ不足で混乱中の現場で、ひとり残った大杉が取った行動とは?」。
プロデューサーの濱谷晃一氏によると、継続を望む視聴者の声も多く「最終回までぜひ放送してほしい、というテレビ東京へのお問い合わせを驚くほどたくさんいただきました」と感謝。「キャスト・スタッフも『漣さんもきっと望んでいるはずだ』という思いのもと、一丸となって最終回完成に向けて突き進みました」と大杉さんの“遺作”をまとめあげたという。
松居監督は、大杉さんの最後の撮影になった20日に「僕ら勝手に芝居してるんで、松居さんの好きなように撮ってくださいね」と声をかけられたことを回顧した。サブタイトルを「バイプレイヤーより愛をこめて」にしたと説明し「バイプレイヤーズスタッフを代表して、あなたに、愛をこめて」と思いを明かしている。
大杉さんは20日午前8時から千葉県内で同作の撮影に参加。午後9時に終了すると、共演者の田口トモロヲ、光石研、松重豊と食事に出かけ、午後11時前にホテルの自室に戻った。その後、午前0時ごろ腹痛を訴え、松重が付き添ってタクシーで病院に向かったが、午前3時53分に亡くなった。食事に同席しなかった遠藤を含むキャスト陣は5人のグループLINEで状況を把握。駆けつけた大杉さんの妻、一部スタッフとともに最期を看取ったという。