北島三郎【一問一答(下)】「忘れない。お前も忘れないでくれ」
歌手・北島三郎(81)の次男で、元ミュージシャンの大野誠さん(51)が、今月3日に東京都調布市内の自宅で遺体で発見されていたことが7日、分かった。死因は心不全で、突然死とみられる。北島はこの日夜、通夜の合間に都内のホテルで会見し、突然の息子との別れに、憔悴しきった様子で瞳を潤ませた。【以下、北島の会見での一問一答(下)】
-遺体の顔は見たか。
「見ました。もう本当に、なんて言うか、眠っているようで…」
-どんな言葉をかけたか。
「あまり突然なんでね…」
「彼は僕の歌を、すごくオーバーですけども、認めてくれる1人で、私に期待みたいなものを持っていてくれましてね、息子でありながら、音楽のとてもいい仲間だった。彼の作った歌を、『おじゃる丸』もそうですけど、いっぱい作ってくれて、未発表のものがあるんですね。ですから、あいつに今私がしてあげられるのは、せっかく残してくれたものを世に出してあげたいなという思い」
-誠さんの音楽的な能力は。
「私はものすごい買ってました。我が子でありながら、こんなにセンスあるのかと。私たちにはとてもできない素晴らしいものを持っていた。時代の違いかもしれないけど、彼が作った詩の中に、いつも何か励ましてくれるような言葉があった。すごい詩なんです。あまり出てこないような言葉が出てくる」
「僕は酒を飲みませんが、メシを食いながら、音楽の話は良くしました。物作るときも彼に来てもらって、楽器弾きながら一緒に歌ったりしました。正月に来た時に、馬の話もしたりね。馬の歌も作ってみたいなと。俺が歌うから、嫌いな歌だったら歌わないから、好きそうな歌をつくってきてくれやって話をしました」
-今はどんな言葉をかけたいか。
「正直言ってさみしい、つらい、でも忘れない。お前も忘れないでくれ、って。3年ほど前に弟(大野拓克さん)が旅立ちました。その弟にも、『今日は誠が行ったから、会ってやってくれよ』という話もしました。そして、神棚に向かって、親父、お袋に『孫の誠が旅立ったから、よろしくお願いします』と言いました」
「こうしてインタビュー受けて、やっぱりしゃべってると、どうしても泣きます。つらいです。子どもに先立たれるつらさというのが、身にしみて感じました」