石川さゆり 文科大臣賞 伝統受け継ぎ&若い音楽家と制作する姿勢評価
文化庁は7日、芸術分野の優れた業績を表彰する2017年度芸術選奨の文部科学大臣賞を、歌手の石川さゆり(60)や俳優の永瀬正敏(51)、脚本家の坂元裕二さん(50)ら19人に贈ると発表した。新人賞には、舞踏家の福岡雄大(34)や俳優の菅田将暉(25)ら11人を選んだ。13日に東京都内で贈呈式を開く。
1973年に「かくれんぼ」でデビューし、芸能生活45年を迎える石川は、歌謡曲の伝統を受け継ぐだけでなく、若い音楽家と共演したアルバムを制作するなど新たに挑戦する姿勢がたたえられた。昨年発売された45周年記念シングル第2弾「春夏秋冬」もコブクロの小渕健太郎がプロデュースした。
石川は所属レコード会社を通じ、「大衆芸能には人が生きているエネルギーを感じます。歌は一人の時も大勢の時でも、どんな時もそっと寄り添えるものだと思います。まだ、お届けしたい歌があり、日本の心を優しく、熱く歌い精進を重ねて参りたいと思います。45周年へのご褒美としてありがたく思います」と喜びのコメント。これまで関わってくれた作詞家、作曲家、スタッフ、ファンにあらためて感謝した。
永瀬は、河瀬直美監督の映画「光」で視力を失っていくカメラマンという困難な役柄を繊細かつ大胆に演じた。坂元さんはテレビドラマ「カルテット」で登場人物を細やかに描くなど、深みのあるドラマを作る手腕が認められた。
また、新人賞に選ばれた若手人気俳優・菅田は、コメディーからシリアスドラマまでさまざまな分野の作品に出演し、演技者の実力を発揮したと評価された。主演映画「あゝ、荒野」ではボクシングでライバルと友情をはぐくむ主人公を好演、「日本アカデミー賞」の最優秀主演男優賞を獲得するなど映画賞を総なめにした。