太田理財局長キレた 自民議員の「変な答弁」質問に 森友文書改ざん問題集中審議
学校法人「森友学園」の国有地売却についての文書改ざん問題で19日、参院予算委員会で集中審議が開かれた。答弁では財務省の太田充理財局長が、自民党議員の質問に怒りをあらわにする場面があった。安倍晋三首相は野党の追及に対して、売却に自身や昭恵夫人の関与があれば議員辞職するとした昨年2月の国会答弁が、改ざんの原因になったとの見方を否定。夫人と学園との関係が改ざんに与えた影響もないと強調した。
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自民党議員からの質問に、太田充理財局長が思わず声を荒らげた。
質問を投げかけたのは自民党の和田政宗議員。太田氏が民主党政権時に野田佳彦首相(当時)の秘書官を務めていたことから「増税派だから、アベノミクスをつぶすために、安倍政権をおとしめるために意図的に変な答弁をしているのではないか」と問いかけた。
“防波堤”となっているはずの財務省側が、自民党から攻められる形。太田氏は「そんなつもりは全くない」と反論。「公務員として、仕えた方に一生懸命仕えている。いくら何でも(そうした質問は)ご容赦ください」と声を震わせて訴えた。
野党からは、共産党の小池晃書記局長が記者会見で「恐喝的な質問で言語道断だ」と述べるなど、和田氏への批判が上がった。
一方、安倍首相は、改ざん前文書から削除された部分について「(一切関係ないという自身の)答弁をひっくり返すような記述では全くない」と語った。関与があれば「首相も議員も辞める」と断言した昨年2月17日の答弁が影響したのではないかとする野党側の主張を否定した。
改ざん前の文書に自らや昭恵氏からの森友問題に関する要請の記述がないとして「(国有地売却に)関わっていないことは明らかだ」と主張。「私の妻の記述かどうかに関わりなく削除された」とも述べ、学園への昭恵氏の関与が改ざん理由ではないと説明した。改ざんが起きたことについては「行政全体に対する最終的な責任は私にある」とおわび。内閣支持率下落は「深刻に受け止める」とした。
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野党は「国民は誰も納得していない」と佐川宣寿前国税庁長官や安倍昭恵首相夫人らの証人喚問を改めて要求した。首相ら政府と野党との議論はかみ合わず、野党席からは「うそをつくな」、与党席からは「しょせん小役人の書いた文書だよ」などとやじが飛んだ。
共産党の小池晃氏が「なぜ決裁文書に昭恵夫人が出るのか」と質問すると、財務省の太田充理財局長は「首相夫人だからということで書いてある」と答弁。議席からはどよめきと拍手が起きた。
小池氏が「要所要所で夫人の名前が出てくる」と畳み掛けると、安倍晋三首相は苦笑い。「私の妻じゃなければそりゃ書きませんよ」と認めながら、改ざん前の決裁文書にある昭恵氏の発言は「籠池氏が発言したから載せたと思う」と、学園の籠池泰典前理事長の発言だと重ねて弁解した。